福島県農林水産業・消費者の協同組合の共同声明

「ALPS処理水海洋放出決定に関する共同声明」

4月13日に決定された福島第一原子力発電所事故に伴うALPS処理水の海洋放出方針は、本県漁業者はもとより国民・県民の懸念や反対の意思表明に対して十分な回答や説明がなされないばかりか「関係者の理解なしには如何なる処分も行わない」という約束を反故にする極めて不誠実な決定であり極めて遺憾である。

政府から「風評影響への対応」として示された「国民・国際社会の理解醸成」についてはこれまでの政府の説明姿勢から十分な取組みが期待できないほか、「生産・加工・流通・消費対策」も具体的内容が希薄であり、東日本大震災・原発事故後に発生した未曽有の「食の不安」および「風評被害」から脱却するための本県農林水産業者および消費者らの懸命な努力を一瞬にして水泡に帰す懸念がある。

さらに、政府は「万一、風評被害が発生した場合の損害賠償についても東京電力を指導する」としているものの、「風評被害」にかかる東京電力のこれまでの賠償姿勢から農林水産業者が抱く不安を拭うことは不可能である。

このことから、われわれ農林水産業者ならびに消費者で構成する協同組合組織はかかる決定に断固反対する本県漁業者を支援するとともに、漁業者はもとより国際社会や国民の理解醸成や世論形成が真摯になされることを通じて、「不安」や「風評被害」が発生せず本県漁業・水産業をはじめすべての産業において復興が阻害されず着実に進展していけるということに確信が持てるまでは、海洋放出には反対する。

また、政府決定に至る過程で「技術的に不可能」とされたトリチウムの除去についても、積極的に技術開発に取り組み、安全な処理方法の確立を切望する。

令和3年4月30日
地産地消運動促進ふくしま協同組合協議会(地産地消ふくしまネット)
福島県漁業協同組合連合会
福島県森林組合連合会
福島県生活協同組合連合会
福島県農業協同組合中央会

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