盈徳(ヨンドク)郡守、「原発建設関連業務、中断」決定

11月7日、盈徳郡庁に 盈徳郡議会、慶尚北道議員、そして40あまりの社会団体の代表者が集まり、イ・ヒジン盈徳郡守は、「地質安全性が検証されるまで原発建設に関連する一切の業務を中断する」とする記者会見を開いた。
11月7日、盈徳郡庁に 盈徳郡議会、慶尚北道議員、そして40あまりの社会団体の代表者が集まり、イ・ヒジン盈徳郡守は、「地質安全性が検証されるまで原発建設に関連する一切の業務を中断する」とする記者会見を開いた。

盈徳郡守、「原発建設関連業務、中断」決定

- パク・ヘリョン(盈徳核発電所反対汎郡民連帯) 「脱核新聞」11月号より

イ・ヒジン盈徳(ヨンドク)郡守は11月7日、記者会見を開き、「地質の安全性が検証されるまで、原発建設と関連する一切の業務を中断する」ことを明らかにした。記者会見には、盈徳郡議員、慶尚北道議員、そして40以上の社会団体の代表が参加した。

イ・ヒジン盈徳郡守は、9月に慶州で起きた地震によって盈徳郡民の不安が極度に高まったとし、原発誘致申請の当時、韓国水力原子力株式会社が示した安全の根拠を公開するよう求めた。中央政府に対して迅速な地質調査を要求し、その結果が出るまでは建設推進を中断、また、慶州地震の以前に政府が調査したヤンサン活断層の地質調査の結果を公表することを要求した。

イ・ヒジン盈徳郡守は、安全なはずの盈徳が慶州付近で発生した地震によってなぜ震動したのか、なぜ、郡民が家の外に飛び出さなければならないほど揺れたのかについて問うている。「今、一番大切なことは、私たち郡民の安全のみである」という内容の記者会見文で、イ・ヒジン盈徳郡守は「経済的理由のために不安を甘んじた2010年の状況と現在とは全く異なる」と主張した。

■ 盈徳郡守の決定を導いた「盈徳郡発展疎通委員会」の議決

イ・ヒジン盈徳郡守の公約によって作られた盈徳郡発展疎通委員会(以下、疎通委)は、10月13日、第7次臨時会で「政府が推進する盈徳原発建設の安全に対する私たちの見解」という緊急懸案を議決し、盈徳郡守にこれを公式意見として建議した。疎通委は「政府が推進する総合的な地質研究結果に依拠した確実な代案が準備されるまでは、現在進行中の原発建設に関連するすべての行為を中断し留保する」という内容で決議した。

これは、9月12日に慶州で起きた地震が1978年の気象庁による地震観測の開始以来、最大規模であるマグニチュード5.8の強震であるという点と、原発の申請当時の「盈徳は地震帯とは無関係」という認識がつぶれ、状況が大きく変化したことを反映した決定であると考えられている。

■ 最近の世論調査で、盈徳の民心を再び確認

10月18日、週刊誌が、盈徳原発建設の賛否を問う郡民世論調査の結果を発表した。結果は、「保留または廃棄」が60.5%、「予定通り推進」が25.5%で、原発建設に対する否定的な世論が広がっていることがわかる。また、原発建設の推進条件としては「総合的な地質調査に依拠した代案の準備が前提として示されなければならない」という項目が29.8%で一番多かった。世論調査の質問が偏頗的であったにもかかわらず、「反対」の比率が高く出たことは、今回の地震による盈徳住民の不安がどれほど大きいかを表している。

■ 住民投票の力、一年ぶりにその結実を見る!

こうした決定の最も大きな原動力は、昨年2015年11月11~12日に行なった「盈徳原発誘致の賛否を問う自主住民投票」だ。当時、10,274名の盈徳郡民が誘致反対に票を投じ、賛成は865名にしか及ばなかった。91.7%が原発誘致に反対したのだ。1年前の住民投票の主要な要求は「盈徳原発誘致撤廃、原発のない清浄な盈徳」だった。1年が過ぎた今、イ・ヒジン盈徳郡守は住民の要求に応えようとしている。

彼は「地質調査の結果が透明に公開された後には、原発申請当時とは異なり、必ず多様な方法で郡民の意見を聞き、その意に沿った手続きをふみたい」としている。これは、原発の誘致申請を事実上原点に戻すということを意味している。

■ 盈徳住民の要求は「白紙化」

盈徳原発反対汎郡民連帯は11月7日、声明書で「もう一歩踏み出して、地質調査とは無関係に、原発の危険性を認識した住民の決定を、より電撃的に認めること」を要求した。なぜなら、住民の安全のために最善を尽くすことは、盈徳への新規原発計画を白紙化することであり、それが完全な民意の反映であるからだ。盈徳郡守が住民の真意を受け、10大事業の全面拒否と白紙化を宣言することを見守りたい。住民は、盈徳郡議会がより積極的な立場表明をすることを期待している。

盈徳原発反対汎郡民連帯は、政府が盈徳原発指定告示撤回と建設計画の白紙化を宣言するよう要求し、これからも活動を続けていくことを明らかにした。

(ノーニュークス・アジアフォーラム通信No.143より)

10月17日、「盈徳核発電所反対汎郡民連帯」は、盈徳郡発展疎通委員会の盈徳原発誘致に係る業務の中断要求議決を歓迎し、イ・ヒジン盈徳郡守の原発誘致撤回の要求と産業通商資源部の盈徳原発指定告示撤回を求める記者会見を開いた。
10月17日、「盈徳核発電所反対汎郡民連帯」は、盈徳郡発展疎通委員会の盈徳原発誘致に係る業務の中断要求議決を歓迎し、イ・ヒジン盈徳郡守の原発誘致撤回の要求と産業通商資源部の盈徳原発指定告示撤回を求める記者会見を開いた。

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