Rajkumar Sinha ラジクマール・シンハ (民衆運動全国連合)
チュッカで計画中の原発建設に反対する大規模な抗議行動への支援を訴えます!
抗議行動に参加してください! 私たちの言葉を広めることでマスコミの沈黙を打ち破るための力を貸してください! そして財政的な支援も必要としています!
友人の皆さんへ
ナルマダ渓谷では、人々が再びの強制移住に直面している。
ナルマダ渓谷に建設された最初の大規模ダムであるバルギダムの建設のために、マーンドラー県、スィヴニー県、ジャバルプル県の162の村々が立ち退きを強いられて大きな影響を受けた。バルギダムは、1968年に中央水利委員会が計画し、建設が完了した1990年に水門が閉められた。
地元では抗議行動が行なわれたが、当初は全国的に注目を集めることはなかった。それはたぶん、その地域の住民の多くが先住民族だったからだろう。当時は再定住の政策が立てられなかったので、人々は雀の涙ほどの補償金をあてがわれて自分たちの家と土地から追われた。
1990年以降、「バルギダム被害者・強制立ち退き者連合」の旗印のもと、地元住民たちが抗議行動を行なった。その集中的なとりくみによって、政府もこの水域での集団的権利に関する要求に留意せざるをえない状況に追い込まれた。たとえば、取り上げられてしまった森林の土地に関して3500件の権利証書が法的に認められた。毎年ダムの水が引いたときには、水没地域内の土地7000エーカーが農業のため一時的に貸し出されることが認められた。水没地域になるとして取得されながらも水没しなかった土地350エーカーの返還手続きも、現在行なわれているところだ。
当初の目標ではダム建設によって44万4000ヘクタールの土地を灌漑することになっていたが、実際には11万ヘクタールしか灌漑していない。水路の建設がいまだに完了していないためである。
政府当局が、本来は灌漑に使われるはずだった水の使用目的を変更したことも欺瞞的である。毎時25000立方メートルの水をチュッカ原発に使用すると表明しているだけではなく、すでに大量の水をジャブア火力発電所に提供している。そのほかにも多くの企業が、大量の水を浪費する自分たちのプロジェクトを実現するためにバルギダムに視線を向けている。
原発建設計画というものは、人々の命と暮らしを脅かし、克服することができないほどのリスクを押しつけるものだ。マディアプラデシュ州のマーンドラー県にあるチュッカ村で原発建設計画が進められているが、ここに住む人々は、すでに一度、バルギダム建設のために強制的に立ち退かされた人々である。
チュッカ原発建設計画は、2009年に中央政府によって認可された。チュッカ、タティガット、クンダの人々は、当初からこの計画に激しく反対してきた。マーンドラー県の多くの村議会が全会一致で原発建設反対の決議を行なって、首相、知事、州政府、指定カースト・指定部族中央委員会議長などに働きかけた。
過去8年間にわたり地元住民たちは、絶えることなく、地域で、州レベルで、首都でも、抗議集会やデモなどによって自分たちの反対の意思を訴え続けてきた。
こうした激しい闘いの圧力を受けて、2013年5月24日と7月31日の2回にわたって、原発建設に環境面での許可を与えるための公聴会が中止に追い込まれた。
当局にできたことは、2014年2月14日、警察や民兵組織が銃口を向けて住民たちをとり囲む中で、詐欺にも等しい公聴会を開催したことだけだった。このような暴力的な弾圧にもかかわらず、数千人の人々が公聴会の会場の外で抗議行動を行なった。
土地の取得に関する規定のあらゆる条項を根拠にして、個人や団体が異議申し立てを行なった。こうした熱情的な抗議行動にもかかわらず、土地の取り上げに伴う補償が恣意的に発表され、住民たちの銀行口座に補償金が強制的に入金される事態となった。農民たちは書面で、補償金を自分たちの口座に入金させないよう銀行に対して請願していた。現在でも多くの土地所有者が、一方的に支払われた補償金を受け取っていない。
最近では、原子力公社に派遣された下請け会社の技術者が10月にチュッカ村を訪れて土壌のサンプルを採取しようとしたときに、村の女性たちによって阻止されるできごとも起きた。女性たちは土壌採取の道具を取り上げて、技術者らを村から追いだした。
腹立たしいことに、原子力公社や地元当局は、「土地の取得は地元住民の同意を得て平和的に完了しているので、現在抗議している人たちは正当な理由を持たない人たちだ」といううわさを流している。
予定地の周辺の54の村々でのこうした絶望と猜疑心に満ちた空気を打ち破るため、住民と活動家らが9月3日にミーティングを行ない、この問題に対する意識を高めて反対運動の団結を強めるために抗議キャンペーンを行なうことを発表した。
住民たちは抗議行動を続けていく意思を固めており、すでに強制的に補償金を振り込まれてしまった人たちも、「補償金の振り込みは自分たちの意思に反して行なわれたことなので、これからも自分たちの土地に原発のような危険なものが建設されることについては反対していく」と表明している。
10月2日、マハトマ・ガンジーの生誕記念日に開始された抗議行動は、12月12日にマーンドラー県の県庁舎前での大規模な抗議集会へと結集していく。
私たちは大きな声で、そしてきっぱりと原発建設に対してNO!の声をあげ、原子力公社と地元当局に対し、彼らが行なっている欺瞞と策略について警告を発していく考えだ。
この集中的なとりくみは、地元の人々に好意的に受け止められており、インド全域の活動家からも支持されている。
より多くの人々が私たちの闘いに参加してくれるよう、どうかこの文章を広めてほしい。そして、物心両面でこの重要かつ緊急なキャンペーンを支えてほしい。
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チュッカの闘いに連帯する声明
チュッカ原発建設計画に反対して、大規模な抗議行動を組織しているナルマダ渓谷の人々に、私たちの連帯の意を送ります。
インド中央部のゴンド民族の数千の人々は、集中的な、しかし徹底して平和的な闘いを、この計画に対して続けている。
原発建設計画は、人々の安全も命も生活も脅かすものだ。皮肉なことに、現在立ち退きの危機にある地域の人々は、かつて1990年にナルマダ渓谷のバルギダム建設のために強制立ち退きをさせられた人々なのだ。そのときも、再定住、仕事、開発などについて似たような約束がされたが、どれも実現されなかった。
インド政府が、先住民族の土地と彼らの森林と天然資源への権利を保護するという、憲法でも規定されている事柄に違反していることに、私たちはとくに背筋が寒くなる思いがする。とてつもなく繊細な生態系、さまざまな生物たちが、チュッカ原発建設計画によって破壊されようとしている。
住民たちは、この地域に原発が建設されて大量の水が浪費されるようになれば、飲み水や灌漑用水を確保するために水を取り合う暮らしを強いられることになるだろう。バルギダムは、灌漑用と飲み水のためのダムとして建設されたのだから、このダムの水を原発やそのほかの工業プロジェクトに使用することは、地元の人々の信頼を踏みにじる行為である。
原発事故が起きれば、このダムの水では原子炉を冷却するのには不十分だと言われており、事故がもたらす帰結は福島原発事故よりも悪くなるかもしれない。
インドでは完全に安全文化が欠如しており、独立した原子力規制が存在しない。つい最近、原子力規制を担当していた人物が「インドは原発をこれ以上拡大していくべきではない」と警告したばかりだ。
私たちは政府に対して、できる限り早期に、原発建設計画によって影響を受けることを懸念している人々と一緒にオープンで民主的な話し合いの仕組みを作り上げることを要求する。
私たちはまた、反対する声を上げる草の根の人々に対する暴力的な弾圧や、ここ数年政府によって行なわれている、活動家に対する誹謗中傷といったやり口を強く非難する。
もう一度私たちは、ナルマダ渓谷の勇敢な人々 — 女性、高齢者、子供、農民、漁民ら が、この長く続く非暴力の闘いの中で見せてくれている卓抜した粘り強さと忍耐に対して、心から尊敬と賛同の意を送ります。
2017年12月12日
署名143名(日本からも多数署名)
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★ノーニュークス・アジアフォーラム通信149号
(12月20日発行、B5-32p)もくじ
・広島高裁、伊方原発の運転停止命じる ― 弁護団・声明
・浦項地震後、韓国の東南圏の原発稼動中止要求高まる(ヨン・ソンロク)
・祈りとデモ行進、毎週22キロ歩く脱核生命平和巡礼5周年(金福女)
・インド・チュッカからの訴え ― 再び住民を強制移住させる、ナルマダ渓谷での原発計画への抗議キャンペーンに支援を(ラジクマール・シンハ)
・バングラデシュのルプール原発が本格着工
・トルコ南部、アックユ原発への反対運動(プナール・テモジン)
・反核WSF・COP23対抗アクションに参加して(寺本勉)
・ICANのノーベル賞受賞と北朝鮮問題(田中良明)
・核のゴミと福井県(若泉政人)
・玄海原発再稼働をめぐる佐賀の状況について(豊島耕一)
・[声明]日本原電による、老朽化した東海第二原発をさらに20年延長して運転させるという「申請書提出」に抗議します(東海第2原発の再稼働を止める会)
・子ども脱被ばく裁判・原告陳述(荒木田岳)
・またもや 安全神話の時代に まっしぐらか!(水戸喜世子)
・原発メーカー訴訟の控訴審判決を受けて(大久保徹夫)
・NNAF全記録DVD(安藤丈将)
・トルコ・反原発ドキュメンタリー映画制作支援金ありがとうございました
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