ノーニュークス・アジアフォーラム通信No.119より
インド・クダンクラム原発反対運動(8)
【クダンクラム原発問題を理解するためのマップ】
私たち | 彼ら | |
行為者 | 漁民、農民、労働者、底辺のカーストの人々、女性、子どもなど タミルナドゥ州、ケララ州、その他の州の支援者 政治政党、社会運動、人権団体などの支援者 一部のメディア 海外の友人たち |
インド政府 タミルナドゥ州政府 陸軍、海軍、空軍、沿岸警備隊、タミルナドゥ州警察、 中央と州の情報機関 原子力委員会、原子力省、原子力公社など 人民党、ドラーヴィダ進歩党、 全インド・アンナー・ドラーヴィダ進歩党などの政治政党 官僚 大部分のメディア アメリカ、ロシア、フランスの政府 これらの国の多国籍企業 これらの国の諜報機関 IAEAなど原発推進の国際機関 |
立場 |
原発は、悪く、醜く、高くつく |
原発は、よい物で、きれいで、安い 原発は、安全で、とにかく必要だ 植民地化された思考を続けて、原発に固執し続けたい 原発を考えよう 外国や多国籍企業の利益を第一に考えよう |
関心事 | 海、海産物、土地、地下水、空気など天然資源を保護する 一般の人々の生活と持続可能な発展を守る すべての人々の食料、栄養、水の安全を保証する 一般の人々の健康被害を避け、子孫を守る 自然、命、未来を守る |
より多く発電し、エネルギーと国家の安全保障を確実にする 裕福で有名で権力のある人々が欲する開発を推進する 権力ブローカーの利益、コミッション、キックバックを保証する 短期的な利益に固執して、それらの隠されたコストを無視する マネー、マネー、マネー |
得るもの | 召使いのように使われるわずかな雇用 店舗やサービス提供からのわずかな収入 |
多くの仕事、多くの契約 カネ、権力、著名になること 電気、よい生活 |
失うもの | 350以上の深刻な訴訟と法的混乱 警察の行動と嫌がらせ 収入と富の喪失、天然資源 生活、健康 子どもたちや孫たちの幸福 未来 |
なし |
直面する攻撃 | 「治安妨害罪」「国家に対して戦争を仕掛けた罪」など虚偽の罪状 での立件 逮捕、拘禁、拷問 女性、若者、子どもたちの拘禁 法的混乱、保釈の拒否 警察による捜索、攻撃、いやがらせ 警察が黙認して、反社会的勢力に個人の所有物や家を破壊させる 交渉チームへの攻撃 諜報機関による心理的な戦争状態 催涙ガスによる攻撃、棍棒での殴打、発砲 警察による殺人 沿岸警備隊の飛行機による空からの嫌がらせ 死の恐怖 |
非暴力の平和的な包囲行動、行進、抗議行動(数時間) |
直面する中傷(私たち)と、採用している策動(彼ら) | <直面する中傷> 野党勢力にそそのかされている 小さなグループがやっていることだ 漁民がやっていることだ キリスト教徒がやっていることだ 外国の機関が裏で糸を引いている NGOからカネをもらっての闘争だ 宣教師や神父がやっていることだ この抗議行動では海上や沿岸での密輸が奨励されている 政府を困らせるためにやっている 抗議しているのは、500ルピーでビリヤニと酒をおごってもらえることを目当てに集まった人たちだ 無垢な人々をだましている 頑固で、人の話が聞けない 外国からカネをもらっている 人間の盾を使っている 誠実なリーダーへの誹謗中傷。これによりリーダーたちを社会的 に抹殺しようとする 暴力を用いているという非難 リーダーたちの住所や電話番号やアドレスを新聞で公表する 人々が常軌を逸していると考えて精神科医を送りこんでくる 外国人の注意をひいて闘争に利用している ナクサル党(西ベンガルの共産主義革命派)やテロリストと関連付ける 抗議行動に参加する女性たちが不道徳であると非難する |
<採用している策動> 半分真実で半分虚偽の情報を人々に流す モラルのないマスコミ人の力を借りて人々を分断する 腐敗したマスコミ人を動員して、闘争を妨害する うわさを流したり、人々に嫌がらせをしたりする カーストや宗教にそって人々を分断する 抗議行動の中で、暴力が引き起こされるように工作する 弱い反対者を買収する ギャングやならず者を使って人々を引き裂く マスコミやマスコミ人を買収する ビジネスマンや産業人が反原発の人々を忌み嫌うよう仕掛ける 科学者や専門家を使って、人々を混乱させる クダンクラム抗議行動に反対する偽の抗議者をでっちあげる 宗教的指導者が人々の意見に影響を与えるよう仕組む 無料の景品を配る 政府の力で、大学の学生や若者に対して情報提供を行う 政府の力でキャンペーンを行う 意図的な停電を引き起こす 平和を乱すためにスパイやエージェントを送り込む 住宅や道路、その他の「開発」プロジェクトを約束する 大金を積んで、地域のリーダーたちに政府サイドに着くよう口説き落とす |
好ましい解決策 | すべての原発を廃炉にする 「新エネルギー」に焦点を当てる |
さらに多くの原発を建てる 原発を推進する |
解決への道のり | インド国内のすべての原発について、モラトリアムを宣言して、あらゆる原発に関する活動を停止する 原発に関するコスト、メリットとデメリット、手続き等に関する影響分析を行う 既存の原発に関して、財政、エネルギー、環境、社会に関する監査を行う 力を持ち独立性のある規制機関を立ち上げる 原発問題に関して、透明性、説明責任、民衆参加を保証する 核の取引、ウラン鉱山、原発、放射性廃棄物処理、原爆などに関する全国的な議論を促進させる 何を必要とするかは、人々に自ら決めてもらう! |
ウダヤクマール、ムヒラン、プシュパラヤン(PMANE)作成 2012年10月2日
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ノーニュークス・アジアフォーラム通信 No.119もくじ
(12年12月20日発行)B5版28ページ
● インド・クダンクラム原発反対運動(8)
● 日本とインドの原子力協力を許さない−両首相への要望書・緊急行動の報告−
● 「日本はインドに原発を輸出するのか」 (ii正明講演より)
● 台湾では原発反対ブームか。しかし体制は甘くない (ダン・ギンリン)
● 韓国・集会宣言「核発電時代を終わらせ、太陽と風の国を作ります!」
● ベトナムへの原発輸出−最近の動き− (ニャット・ラム・バオ)
● 大飯原発再稼働を止めるための道路封鎖と現地への思い (松村志保)
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