韓国2019年 記憶すべき脱原発ニュース

韓国「脱核新聞」より

「2019年 記憶すべき脱原発ニュース」を日付順にまとめました。文在寅政権が脱原発政策を発表したにもかかわらず、原発の建設と運転許可が続いており、原発技術関連産業と輸出計画は依然として拡大中です。また、最低でも10万年間の責任を議論しなければならない高レベル核廃棄物管理政策の見直しが拙速に進められています。脱核新聞は「2019年 記憶すべきニュース」をまとめることで、改めて問題を想起し、各地域や現場でくり広げられるであろう2020年の闘いに少しでも力となれればと思います。
(まとめ:ジョン・スヒ、ヨン・ソンノク、キム・ヒョヌ、パク・ヒョンジュ、イ・ホンソク)(訳:高野聡)

1.核廃棄物の搬入が中断した慶州(キョンジュ)の中・低レベル核廃棄物処分場

2019年1月から慶州の中・低レベル核廃棄物処分場への核廃棄物搬入が中断された。これは原子力研究院による核種分析のエラーのためであり、規制当局の原子力安全委員会は、原子力研究院が15年以降に処分場へ運んだ核廃棄物を調査した結果、2600個のドラム缶のうち、2111個のドラム缶で3260件に及ぶ核種分析のエラーが検出されたと発表した。処分場を運営する原子力環境公団は核廃棄物の試料を採取して分析しており、結果は近々出る予定だ。一時期、処分場にあるすべての核廃棄物を取り出して再調査すべきだという問題提起や、韓国水力原子力と原子力安全委員会の責任も問うべきだとの主張もあったが、現在は沈静化した状態だ。

2.安全処置が不十分ながらも新コリ4号機に運転許可

19年2月1日、原子力安全委員会は、蔚山(ウルサン)の新コリ原発4号機の運転を承認した。加圧器安全放出バルブの漏洩などがあったにもかかわらず、原子力安全委員会は、主要設備の安全性確保を放置したまま、本格審査1日のみで運転許可を下した。

脱原発陣営は4月に蔚山を中心に「新コリ原発4号機運転許可処分取り消し訴訟」を開始した。訴訟人団の募集期間は一週間しかなかったが、全国で732人の市民が訴訟に参加した。訴訟は現在、ソウル行政裁判所で進行中であり、20年1月9日、2次弁論が行なわれる予定である。

一方、韓国水力原子力は19年12月6日に新コリ3・4号機の竣工式を行なった。

3.違法にもかかわらず工事を中止しない新コリ5・6号機

19年2月14日、ソウル行政裁判所行政第14部は、グリーンピースと市民599人が提起した「新コリ原発5・6号機建設許可処分取り消し訴訟」で、欠格事由のある原子力安全委員会委員が建設許可の決定に参加した点、放射線環境影響評価書にシビア・アクシデントの記載が抜け落ちている点を認定し、違法であると判断した。

しかし、建設を中断する場合、複雑な法律的争点が発生する上、建設中断による損失が大きいという理由をあげ、建設を継続してよいという「事情判決」を下した。

これに対し訴訟団は直ちに控訴し、ソウル高等法院で11月19日に控訴審3次弁論が行なわれた。現在新コリ5・6号機の工事は続いており、11月28日に5号機の原子炉が設置された。

4.ハンビッ1号機原子炉出力急上昇事故

5月10日、霊光(ヨングァン)にあるハンビッ原発1号機の出力が急上昇する事故が発生した。韓国水力原子力は、ハンビッ1号機の熱出力が18%急上昇したにもかかわらず、すぐに原子力安全委員会に報告せず、12時間近く運転を停止しなかった。

また、韓国水力原子力は運転を停止しなかった理由について、「原子炉出力急上昇の事実を知らなかった」と原子力安全委員会に虚偽の報告をした。

検察の捜査の結果、 韓国水力原子力はハンビッ1号機の再稼働の時期が延期になることを懸念し、無資格者が制御棒を操作した事実を隠して、不正確な資料と虚偽の陳述書を提出して調査に混乱を与えた。その結果、韓国水力原子力の関係者7人が起訴された。

しかし原子力安全委員会は根本的な改善策のないままハンビッ1号機の再稼働を許可し、11月2日には1号機が再稼働した。

霊光、高敞(コチャン)、光州(クァンジュ)、全州(チョンジュ)、井邑(ジョンウプ)など湖南(コナン)圏の市民団体と脱原発団体はハンビッ1号機の閉鎖を要求している。

5.プサン市機張(キジャン)の研究炉に運転許可。大田(テジョン)のハナ炉研究炉で相次ぐ自動停止

5月10日、原子力安全委員会はプサン市機張郡の研究用原子炉(熱出力1万5千kW)の建設を許可した。この研究炉は2022年3月までに完成する予定で、建設費は4389億ウォンにのぼる。プサンの市民団体は機張研究炉の運転許可取り消しを求めている。

大田にあるハナ炉研究炉(熱出力3万kW)は12月6日、再稼働の3日後に再び自動停止した。これを受け、廃炉を主張する市民社会の声はさらに大きくなった。ハナ炉はトリチウムやヨウ素などの気体放射性廃棄物の排出量が商業用原発並みに多い。

6.でたらめな高レベル核廃棄物見直し議論

産業通商資源部(産業部)が5月29日に「使用済み核燃料管理政策再検討委員会」を設置し、見直しの議論を進めている。再検討委員会は11月21日に「月城(ウォルソン)原発使用済み核燃料慶州地域実行機構」と協約式を結び、慶州実行機構を発足させた。全国の脱原発陣営は、再検討委員会と慶州地域実行機構の解体を求めている。産業部は、慶州地域実行機構を通じて、使用済み核燃料の「乾式貯蔵施設」を建設するかどうかを決定する予定だ。

しかし慶州実行機構は慶州市民だけで構成されているため、となりの蔚山(ウルサン)市の住民が強く反発している。蔚山市は月城原発の放射線非常計画区域内に人口100万人以上が居住している。蔚山市の中区庁、北区庁、東区庁などは市民団体とともに再検討委と慶州地域実行機構を批判する記者会見を開いた。

現在の高レベル核廃棄物の見直し議論は最終処分場が確定されるまで、使用済み核燃料を各原発立地地域が保管することを前提としている。国民が核廃棄物の問題をどのようにとりくむか議論する前に、核廃棄物の問題を地域住民に押しつけるものだ。

さらに悪いことには、再検討委は「乾式貯蔵施設」の問題を原発が所在する自治体が決定できるようにすることで地域社会に大きな対立と混乱を引き起こしている。

7.三陟(サムチョク)指定告示解と新蔚珍(ウルチン)3・4号機論争

5月31日、産業部は三陟の大津(テジン)原発予定地の指定告示を解除した。しかし、同じく新規原発の予定地に指定されている盈徳(ヨンドク)では、まだ告示が撤回されていないままだ。

このほか、新蔚珍(新ハヌル)3・4号機も白紙化の手順が正常に進んでいない。新蔚珍3・4号機は建設工事に着手してはいないが、2017年2月に産業部が発電事業を許可した状態だ。

現行の電気事業法は、事業者が法に違反したり、欠格事由がある場合にのみ、発電事業の許可を取り消すようにしている。文在寅政権は第8次電力需給計画を策定する際に、新蔚珍3・4号機は今後の電力生産がないものとみなして、再生可能エネルギーの拡大政策を打ち立てた。しかし政府は新蔚珍3・4号機建設白紙撤回の措置を迅速に行なっておらず、論争となっている。

原発「推進」陣営は、地域経済と原発産業活性化のために新蔚珍3・4号機の建設が必要だとして50万人の署名を大統領府に渡した。

8.低線量被曝労働の労災認定と不認定。原子力安全委員会の規定、一部の疾病は労災不認定

19年、注目すべき原発労働者の業務上疾病判定があった。低線量放射線被曝を業務上の疾病に認めたのだ。勤労福祉公団は7月3日、月城原発の日雇い労働者として勤務したAさんの血小板減少症(骨髄異形成症候群、白血病の一種)を業務上の疾病と認定した。勤務期間中の放射線被曝は基準値(実効線量1年累積基準値50mSv)以下だったが、血小板減少症は被曝により発症したと判断したのだ。

一方、勤労福祉公団は、月城原発で327日間働いて放射線にさらされたキム・ジョンイル氏の「ホジキンリンパ腫」については労災認定をしなかった。がん発症との関連性の根拠が弱いという理由だが、現在この件は訴訟へと至り、第二審が進行中である。この判定には、原子力安全委員会の「放射線作業従事者等の業務上の疾病範囲」の規定が影響を及ぼしたという指摘もある。この規定は、ホジキンリンパ腫を業務上の疾病の範囲から外している。

9.157cmの巨大な穴が発見されたハンビッ4号機

7月24、霊光(ヨングァン)のハンビッ4号機の格納容器のコンクリートで157cmに達する巨大な空隙(すき間)が発見された。格納容器のコンクリートの厚さが167cmなので、10cmの壁で原発を20年もの間稼動してきたということだ。

原子力安全委員会は、2016年6月にハンビッ2号機格納容器の鉄板の腐食が発見されて以来、全国19基の原発の格納容器で空隙と鉄板の腐食が生じていないか点検してきた。その結果、19年9月までに鉄板の腐食は10基で777カ所、空隙は8基で295カ所発見された。一方、霊光では「ハンビッ原発の安全性確保官民合同調査団」を組織し、韓国水力原子力と原子力安全委員会が発見できなかった安全上不安な点などを相次いで発見するという成果をあげた。霊光を除く他地域の原発の鉄板とコンクリートの状態に関する情報は詳細に伝えられていない。

10.警察庁長官、密陽(ミリャン)と青島(チョンド)に謝罪

7月25日、警察庁長官が密陽と青島の送電塔建設反対住民に直接会い、警察が行なった人権侵害について謝罪した。これは「警察庁人権侵害事件真相調査委員会」の勧告に従ったものだ。

真相調査委は、送電塔の建設強行とそれに伴う警察を大規模に動員した暴力的鎮圧、住民の取り調べや監視、通行制限、カメラ撮影、住民への買収などの人権侵害に関する事実を確認した。真相調査委は、警察庁長官の公式謝罪のほか、再発防止に向け、情報警察の業務と役割を統制する方法、住民通行権の保障、集会やデモの安全対策、カメラ撮影の規則改正など制度の補完を行なうよう勧告した。さらに密陽・青島の住民の精神的・身体的健康被害に関する実態調査を行ない、その結果に従った治療方法を策定することを勧告した。

しかし、警察庁長官の謝罪以外には、勧告に対する警察庁や政府の履行はまともに行なわれていない。

11.一審勝訴判決を覆したキュンド一家訴訟二審判決。最高裁に上告

8月14日、2012年に始まったキュンド一家訴訟の二審判決があった。一審の判決(訳注:14年10月、コリ原発近隣住民の甲状腺がんについて原発との因果関係を認めた)と異なり、二審の裁判所は、低線量放射線被曝とがん発症の関係は証明できず、科学的・医学的・生物学的根拠が不足だとし、キュンド一家の訴えを棄却した。訴訟団は直ちに上告し、現在最高裁判所の判決を待っている。

一方、キュンド一家の一審勝訴後に進められていた全国の原発立地地域住民による甲状腺がんの共同訴訟は、キュンド一家の二審判決の結果を見てから再訴することにしていたが、二審敗訴を受け裁判を延期した状態だ。

12.月城1号機の永久停止いまだ確定せず

慶州の月城原発1号機は、2012年に設計寿命(30年)を終えた。2015年に多くの物議を醸しつつ寿命の延長が決定されたものの、15年と16年に慶州・浦項(ポハン)大地震が発生した。裁判所は17年2月に、原子力安全委員会の「月城1号機の寿命延長」の決定は違法との判決を下した。

文在寅政権は新コリ5・6号機公論化の直後、「エネルギー転換ロードマップ」を発表し、月城1号機の閉鎖を約束し、これを第8次電力需給基本計画に反映させた。そして18年6月、韓国水力原子力は、理事会で月城1号機の永久停止の決定を行ない、19年2月に原子力安全委員会に月城1号機永久停止に向けた「運転変更許可申請書」を提出した。

しかし原子力安全委員会は、事業者が運転を中断したにもかかわらず、永久停止の決定を出さずにいる。(訳注:19年12月24日に原子力安全委員会は月城1号機の永久停止を決定した)

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★ノーニュークス・アジアフォーラム通信162号(2月20日発行、B5-24p)もくじ

・韓国2019年 記憶すべき脱原発ニュース  (脱核新聞より)
・トルコ、くすぶり続けるシノップ原発建設の動き (森山拓也)
・南オーストラリア・キンバでの放射性廃棄物処分場建設計画に500人が抗議
・伊方原発3号機差し止め仮処分決定に歓喜
― そして、電源一時喪失 燃料冷却43分停止 ― (大野恭子)
・被災した女川原発の再稼働を阻止しよう (舘脇章宏)
・「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」に集まろう (橋田秀美)
・ドキュメンタリー映画『サマショール 遺言 第六章』公開によせて (豊田直巳)
・演劇に原発を (くるみざわしん)
・東日本大震災と福島原発事故を題材にした小説を語る(1) (宇野田陽子)
・ノーニュークス・アジアフォーラム通信 No.144~161 主要掲載記事一覧
・NNAF 27年VTR  ― Korean/日本語/English//Mandarin ―

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『5.17老朽原発うごかすな!大集会inおおさか』

「ワイロよりハイロ!」「原発マネ―不正還流を許さない」「関電に原発動かす資格なし」「1万人をめざそう」
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★全国から賛同を、よろしくお願いします
賛同金は、団体1口3,000円、個人1口1,000円です。郵便振替用紙に、団体あるいは個人名、連絡先、「名前公表の可否」を明記のうえお振込みください。
口座番号:00990-4-334563
加入者名:「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」実行委員会

郵便振替用紙 見本です

★実行委員会にご参加を! 4月11日14~16時
PLP会館(大阪市北区天神橋3-9-27 JR天満駅より7分)
http://plp-kaikan.net/access/a_index.html
新規ご参加も大歓迎です

<よびかけ・賛同>(3月20日現在)

● フォーラム平和・人権・環境 ストップ・ザ・もんじゅ 若狭連帯行動ネットワーク 原発をなくし自然エネルギーを推進する大阪連絡会(原発ゼロの会・大阪) 全国労働組合総連合(全労連)近畿ブロック グリーン・アクション ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン 平和と民主主義をめざす全国交歓会 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 おおさかユニオンネットワーク オール福井反原発連絡会 原子力発電に反対する福井県民会議 ふるさとを守る高浜・おおいの会 原発のない社会へ2020びわこ集会実行委員会 京都脱原発原告団 原発ゼロをめざす京都ネットワーク 原発ゼロ・被災者支援奈良のつどい実行委員会 原発ゼロへ・生駒の会 さよなら原発なら県ネット 原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会 さよなら原発神戸アクション 脱原発はりまアクション 反原発自治体議員・市民連盟 老朽原発40年廃炉訴訟市民の会 原子力資料情報室 若狭の原発を考える会 再稼働阻止全国ネットワーク
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● 中嶌哲演(原子力発電に反対する福井県民会議) 林広員(オール福井反原発連絡会) 東山幸弘(ふるさとを守る高浜・おおいの会) 宮下正一(原子力発電に反対する福井県民会議) 井戸謙一(福井原発訴訟<滋賀>弁護団長) 池島芙紀子(ストップ・ザ・もんじゅ) アイリーン・美緒子・スミス(グリーン・アクション) 木原壯林(若狭の原発を考える会) 相原敦子 青山晴江 赤羽佳世子 赤松純平 芦原康江 阿部功志 阿部正文 天野恵一 荒井康裕 粟井敏広 池田高巌 池松綾子 池村奈津子 李相泰 石打謹也 石川孝 石田隆子 石田紀郎 石鍋誠 石原良次 和泉健一 一ノ木勝 稲岡了三 居永正 稲月愛乃 稲村守 井上浩 井上陽子 岩崎晶子 上里恵子 碓井善成 打越紀子 内田典子 内富一 宇野田陽子 梅村久基 梅本美智子 浦口るみ子 仰木明 大澤忠夫 大島秀夫 大島美智子 太田俊孝 太田陽子 大野ひろ子 大畠稔 大森正子 大湾みどり 大湾宗則 小笠原順子 岡田啓子 岡武美千子 岡本琴代 小川久美子 奥坂賢司 小熊ひと美 奥森祥陽 小野英喜 折口晴夫 恩田君代 恩田怜 梶原義行 勝浦幸子 加堂妙子 角地弘子 兼崎正英 蒲牟田宏 河合成一 川嵜憲雄 川嶋澄夫 川添文子 川端春枝 岸園正俊 岸田典子 北川敏雄 北野進 北村信二 木戸惠子 木戸進次 木下俊子 黄之瀬健志 木原和子 木村雅英 木村幸雄 清野隆史 桐谷敏弘 國重阿夜子 久能啓補 久保清隆 久保新一 くまがいマキ 黒石昌朗 桑原正史 けしば誠一 郷田みほ 小島卓 小西弘泰 小林明 小林直哉 小林正明 小林嘉直 小針修子 小平良 駒井高之 小山敏夫 木幡ますみ 斉藤幸弘 斉藤義夫 榊原義道 佐藤大介 佐藤徹 更家周子 沢井清 篠田美津代 島嵜明子 白井美喜子 新開純也 新城せつこ 新谷弘 末田一秀 菅野逸雄 杉かつとし 杉谷伸夫 杉田尋子 杉林聰美 鈴木くみ子 関俊子 宗博文 田井中昭男 高木隆太 高崎庄二 高月正清 高谷二郎 瀧秀樹 瀧川恵子 瀧川順朗 滝沢厚子 竹内正三 竹内宙 竹原八郎 竹本修三 舘明子 田中徹 田中洋子 棚橋寿郎 谷川恭子 田平康子 玉木節子 田村文子 田村幸康 溜口郁子 塚本泰史 堂下健一 徳井和美 名出真一 永井友昭 中井正子 中川加代子 中川正広 中沢浩二 長澤民衣 永野勇 永橋正伸 中原忠雄 中原令輔 中村光一 中村泰子 中村義彦 中村吉政 永谷ゆき子 成山太志 西尾美和子 西川生子 西川和男 西澤雅子 西谷靖男 西山直洋 西脇鈴代 野口宏 野々目良一 のばなし 野村貴 萩原富夫 橋田秀美 橋本昭 橋本利昭 橋本博子 長谷川薫 畑明郎 畑章夫 秦左子 服部章代 服部庸 服部恭子 服部良一 浜田守彦 濱本英治 林怜子 東根順子 披田信一郎 平井由美子 平田義夫 福井?子 福田章典 福田慎二 藤井隆子 藤井眞佐子 藤沢勇 藤本孝一郎 二木洋子 二俣和聖 船見研雄 船山幸子 船山良成 古橋雅夫 堀内雅代 本庄綾子 前野恭子 増野徹 松尾彰 松尾和子 松尾哲郎 松崎佳代子 松崎五郎 松下千絵 松永勝子 松原康彦 松本百合 馬庭京子 馬渡雪子 三浦翠 三上章道 三木鎌吾 水島汐美 溝川悠介 光平正 密山純子 峯本敦子 三牧建一 宮崎庸人 宮崎学 宮本博志 宗景眞利子 村上薫 村上聖子 村上敏明 村上ひとみ 村上光子 茂木康 森本宥紹 八木浩一 安井冽 安富睦 安並詔男 弥永修 柳田真 屋根川照司 八尋きよ子 山岸康男 山口孝雄 山崎節 山崎憲成 山下愛子 山下けいき 山下とも子 山地政司 山田勝暉 山田耕作 山田晴美 山根爽一 山根康彦 山本彰子 山本彰 山本晴代 山本由美子 山脇孝子 柚木康子 由良緑 養安理恵 横山久恵 吉井英勝 吉田昭 吉田雅典 吉田明生 吉永剛志 吉永美智子 吉水律子 依田幸男 米澤鐡志 米盛晴江 米盛満男 若山ミドリ 和田美登里 渡部英機 渡邊眞知子 匿名の方々(324名)

「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」実行委員会
連絡先:木原(090-1965-7102 kiharas-chem@zeus.eonet.ne.jp)

 

台湾の明日はどっちだ! 2020年台湾総統選挙の注目点

概要

4年に一度の台湾総統選挙が、2020年1月11日(土)に行われます。
台湾はアメリカ合衆国に似た政治機構で、総統の任期は4年、有権者の直接選挙により選出されます。ちょうど合衆国と同じ年に先行して行われるため、その点でもよく話題になります。
また日本の国会議員に当たる、立法委員も同時に全議席改選されるので大きな変革が起きやすいです。

今年も特に話題の多い選挙のため、日本のみなさんにもぜひ注視して、1月11日を迎えて欲しいなぁ、と思っているので、立候補者の説明などをしてみます。

文責等はすべてとーち(奥田亮)にあります。

ところで「総統」という語は「大統領」の中国語表記であり、まったく同じと考えていい。英語ではPresidentである。トランプ大統領は、台湾では「特朗普總統」となる。
したがって、厳密には日本語の文脈でも大統領と表するほうが妥当だともいえるので、ここでは大統領でいってみる。

民進党関連の立候補関連者

民進党は現在の与党。原発には反対で、日本から輸出された第四原発を稼働させないことを決定した。今回も民進党政権となれば第四原発が稼働する可能性はほぼなくなるのではないかと言われている。

蔡英文 (民進党 大統領候補)

蔡英文
總統府, Attribution, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=48898316による

2016年に初当選した現在(2020/01/04現在)の大統領であり、今回の大統領選の候補でもある。
台湾では大統領の任期は最大2期と決まっているので、これが最後の大統領選となる。

蔡英文は李登輝に見いだされ政治活動をしていたが、民進党に入ったのは2004年と遅かった。しかし、2008年には主席に就いている。その後紆余曲折あったが2010年に新北市市長選で国民党の朱立倫に敗れている。
その後、2016年に、今度は大統領選で同じく朱立倫と争うこととなり、当選を果たし、大統領となった。
またこの際、立法院でも民進党が過半数を得たため、その後の政治運営が容易になった。2000年に民進党が初めて政権を得て以来、立法院でも過半数を得たのはこの時が初めてであった。

2017年に脱原発法、2019年には世界で27番目となる同性婚合法化を成立させるなどリベラルな実績を残している。
しかし、2018年の統一地方選では民進党が22のうち13の知事・市長を占めていたのを6にまで激減させ、その責任をとって党主席を辞任している。
このため2018年末の時点では大統領候補にもなれないだろうと思われていたが、
2019年1月、中国の習近平が台湾にも一国二制度を用いるべきだと発言したことに、即座に反論し、改めて支持を得た。そしてその後、香港での逃亡犯条例をめぐる動きにより台湾が「明日の香港」となる懸念を呼び起こさせ、香港での動きが深刻さを増すに従い、支持率を上げてきた。

頼清徳(民進党 副大統領候補)

頼清徳
臺南市政府 – https://www.tainan.gov.tw/Default.aspx, Attribution, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=61333914による

蔡英文より独立色が強いといわれている。蔡英文により行政院長に任命されるなど重用されていたが、統一地方選後、蔡英文の人気が落ちる中、大統領候補として民進党内の予備選蔡英文と戦った。結局、香港の動きなどにより蔡英文の支持率が復活したことから予備選では敗北し、その後副大統領として蔡英文とともに選挙に挑むこととなった。
独立派ではあるが、自らを反中ではなく、親中愛台であると述べている。

柯文哲

柯文哲
KP – IMG_9322-1, CC 表示-継承 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=70166416による

日本統治時代に祖父が教師をしており、228事件で逮捕されその後病死している。優秀な外科医として活躍し、政界の中にも何人も柯文哲に命を救われた人がいる。

2012年の大統領選では蔡英文を支持、ひまわり運動の際には立法院を占拠している若者たちのもとに駆け付けるなどリベラルな側面で知られる。
国際関係では友中親美靠日(中国と友好を保ち、アメリカと親しくし、日本とも近しい)というなんでもアリな意見を表明している。しかし、これは台湾の若者の一般的な意見に近いものであり、素直な意識の吐露であるともいえる。
さらに柯文哲は毛沢東を支持しているとし、国民党を撤退させた毛沢東に学びたいとも発言している。

2014年に民進党の支持を受け、台北市長に初当選し、その後2018年には民進党は独自候補を出したが、無所属で市長選に出馬し、国民党候補に僅差で勝っている。
今回、大統領選へ出馬する意向を示していたが、結局9月になって出馬を見送った。

しかし、台湾民衆党という政党の党首でもあり、立法院選でどれだけの委員が当選するかが注目されている。

呂秀蓮

呂秀蓮
davidreid – https://www.flickr.com/photos/davidonformosa/2297833015/, CC 表示-継承 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=48929873による

台湾がまだ戒厳令下であった1979年に美麗島事件という言論弾圧事件が発生する。呂秀蓮はその対象となった美麗島という雑誌社の副社長だったため投獄され、弁護士であった陳水扁らに弁護された。
その後、2000年の大統領選で民進党が勝利し、陳水扁が大統領に、呂秀蓮が副大統領となった。2期目も務めたたため、呂秀蓮は8年間副大統領の座にあった。

今回、台湾最大のキリスト教団体である長老教会は、ほとんどが蔡英文支持なのだが、主に同性婚を否定する宗教上の理由から一部独自候補を擁立する動きがあり喜楽島連盟が2019年7月に設立された。呂秀蓮はそこから立候補を試みたが、政党として認められていないため、立候補には28万人の署名が必要であった。
結局署名を集めることができず、11月2日に立候補断念を発表した。

国民党関連の立候補関連者

そもそも国民党は、日本が戦争に負けた時点では大陸の支配を共産党と争っていた。その後、共産党に追われる形で、台湾に逃げ込み、現在に至る。
したがって、民主化された現在では、国民党は政党という側面もあるが、そもそもは台湾の支配組織の名称というのが実情だった。過去建設された3か所6基の原発も国民党による戒厳令下に建設された。
日本から輸出された第四原発も戒厳令下に建設が決定されたが、民主化と共にその建設が阻止されつづけてきたのだ。

韓国瑜(国民党 大統領候補)

韓国瑜
高雄市政府, Attribution, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=82278429による

陸軍士官学校を出て、1990年代に台北県議を経て、立法委員を3期務めたのち、青果市場運営会社社長などをしていたが、2018年の地方選で高雄市長の国民党公認候補となり、当選する。
従来の、エリートでスタイリッシュという国民党政治家像とは異なる庶民派の人柄が好感を持たれ、一大ブームを巻き起こした。
高雄市長当選後、国民党の大統領予備選で44ポイントという大差をつけて大統領候補となるが、そのころをピークに支持率は低下していく。

マンション投資を暴かれたり、ディスニーランドや競馬場誘致といった公約が何一つ実現されないなど、次第に批判されることが多くなり、香港情勢を「動乱」と呼んだことなども批判された。

親民党関連の立候補関連者

宋楚瑜(親民党 大統領候補)

宋楚瑜

湖南省生まれの外省人。国立政治大学、カリフォルニアバークレー校、ジョージタウン大学と進学し、その英語力を買われて蒋経国に英文秘書に抜擢された。
その後、同じく蒋経国に見いだされていた李登輝の下で活躍し、1994年には台湾省長に就いている。当時の国民党は大陸を含めた中国全土を支配する建前であったため、大陸の各地方省にも省長の役職があり、実質唯一有意なのが台湾省長だった。
しかし、李登輝はこの非合理な状態を解消したため台湾省の機能を凍結してしまった。宋楚瑜はこれに抗議して辞表を提出。
2000年の大統領選に無所属として立候補した。この際、
民進党 陳水扁  39%
国民党 連戦      23%
無所属 宋楚瑜  37%
という国民党を上回る得票を得ながら、わずかの差で、陳水扁、呂秀蓮に政権を渡してしまう。

その後の2004年の大統領選では、国民党の連戦に花を持たせ、自身は副大統領候補に回るが、それでも50.11 対 49.89という僅差で敗れ、政権を得るに至らなかった。
自ら立ち上げた親民党を率いてその後も大統領選に出馬するがいずれも敗退している。今回もやはり出馬を決めた。

郭台銘

郭台銘
dilmarousseff – https://www.flickr.com/photos/dilma-rousseff/5781202680/, CC 表示-継承 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=21672831による

1974年24歳のときに若くして企業し、鴻海精密工業(当初は鴻海プラスチック企業有限公司)を興す。その後当時はまだ知られていなかった中国深センにIT工場を建設し、iPhoneを製造するなどにより世界有数のIT企業とし自身も台湾一の富豪と呼ばれるようになる。
日本では2016年にシャープを買収したことでその名が知られた。

2019年4月に媽祖のお告げがあったとして大統領選への出馬を決める。
しかし国民党の予備戦では、韓国瑜44%に対し、郭台銘27%と惨敗し、無所属での出馬も検討していたが、9月なって出馬を見送った。

むすび

柯文哲は一部の民進党委員と不仲であるといわれていたこともあり、独自の出馬を考えていたが結局見送った。また政策そのものは蔡英文ととても近く、柯文哲の支持層は蔡英文に投票すると思われる。
呂秀蓮の喜楽島連盟も、その支持者が国民党に投票することは考えにくく、事実上民進党陣営は一つにまとまったといえる。

対して、立候補を断念した郭台銘は、宋楚瑜の親民党を支援するとしている。
台湾のマスコミは、現在77歳の宋楚瑜の後任を取り付けたのではないか、と報道しているが当の宋楚瑜はTVで否定してはいる。
いずれにしろ、求心力を失った韓国瑜に対し、予備選を戦った郭台銘が対立の構図となるのはいずれの陣営にも苦しい状態だと思われる。

また、同じく2020年1月11日には台湾立法院選挙も行われる。
台湾の立法院は一院制で議席は113。任期は4年なので、大統領と同時に総入れ替えとなるため、そのたびに大きな政治変化が起こるようにできている。
今回の蔡英文政権で脱原発法や同性婚合法化が達成できたのは、立法院でも多数派であったことが大きく影響している。この状態が継続できるかどうかも、大きな焦点になる。合わせて注目して欲しい。

最後に、この台湾の選挙について日本一部の報道媒体が、国民党に反対する陣営が「反中」として戦っているかのように読める誤解を記載していることに気を付けたい。
すでに自治を維持している台湾を、一国二制度のもとに統合しようということに反対することは「反中」ということとは違う。
上述したように、多くの台湾の人びとは中国とも協調しながら発展していくことを望んでおり、そもそも経済状態の深い結びつきからいって、完全に敵対する選択肢などあり得ず、いかに妥協点を見つけながら歩んでいくのか、というのがこれまでもこれからも、必要なことなのだ。

Over:

ハンビッ原発3・4号機を廃止せよ

井上年弘さんと、通訳のキム・ボンニョさん

「ハンビッ原発ゲート前集会に参加しました」

井上年弘(原水爆禁止日本国民会議)

「ハンビッ原発1号機再稼働反対と3・4号機廃止のための汎国民大会」が、10月19日にハンビッ原発(霊光原発)ゲート前の広場で開かれ、韓国各地から200名の仲間が集まりました。

集会は、原発による犠牲者への黙とうから始まり、続いて「核のない世界」光州・全南行動本部議長で作家の黄大権(ファン・デグォン)さんが「この時代で一番大事なことは気候問題よりも原発問題だ。しかしマスコミはそのことを一切報道しない。国民をバカにしている」、あまりにも問題が多い原発に対して、「地球のためにも脱原発が必要だ!」と訴えました。

円仏教の地元の教区長は、脱原発の必要性を訴えながら、韓国で問題となっている米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)配備撤回を求める発言もしました。

全羅北道井邑市の原発特別対策委員会は、「原発から31㎞離れ、30㎞圏外で避難計画はない。しかし放射能は30㎞で止まらない」と福島原発事故を踏まえながら発言しました。

訪韓して参加した私からは、日本はすでに廃炉の時代に入っており、福島原発事故以降21基もの原発が「廃炉」となり、原発輸出もとん挫、原子力政策・核燃料サイクル政策が破綻している現状を報告し、今後も引き続き日韓両国の連帯を強化し、共に脱原発を勝ち取ろうと訴えました。

集会後、放射性廃棄物のドラム缶の模型を背負った人たちを中心に、「決議文」を原発関係者に渡しながら、1時間余りゲート前を封鎖し続けました。

ゲート前集会で脱核新聞を読む子どもたち

「ハンビッ原発1号機再稼動反対と3・4号機廃止に向けた決議文」

今年5月、ハンビッ原発1号機で発生した原子炉出力急上昇事故では、けっして起きてはならない重要な過ちが3つあった。核反応度の値の計算ミス、熱出力制限値の5%超過、即時停止命令の失敗だ。

原子力安全委員会(原安委)は、原発の安全に直結するこれらの致命的ミス発生の根本的な原因の究明をせずに、調査結果および拙速な再発防止対策を承認し、その不十分な対策さえも実施を後回しにしたまま、あわてて再稼動を許可する決定をした。その過程で 原安委の専門委員の技術検討を省略しただけでなく、住民の同意はおろか公式の説明会も一度もなく、一方的な決定がなされた。

そして、7月にハンビッ原発4号機の格納容器コンクリートで発見された157cmの巨大な空隙(すき間)は、全国民を驚愕させた。現在までに、国内の原発で発見された空隙の94.2%(278件)がハンビッ原発であり、その内245ヶ所がハンビッ3・4号機に存在する。

格納容器の内部鉄板の腐食の発見件数も60%がハンビッ1・2・4号機に集中しており、3・4号機では格納容器の構造的な亀裂が懸念される鉄線潤滑油(グリース)漏れが数十件発見された。

ハンビッ原発では原発の最後の防護壁である格納容器だけに問題があるのではない。4号機では、原発の核心的な設備である蒸気発生器内部で重大事故につながりうるハンマーと鉄片が発見された。この他にも、ハンビッ1・3・4号機には一つ一つ列挙するのも難しいほど多くの問題が山積している。

さらに憂慮すべきことは、こうした原発の安全性に致命的な問題を、原安委と韓国水力原子力(韓水原)が20~30年も発見できずに放置していたことだ。

ハンビッ1・3・4号機は、手抜きの建設から、運用、点検、管理・監督、規制全体にわたり、多事多難そのものだ。今すぐ重大事故が起きてもまったく不思議ではないくらい危険な状況だ。

それでも原安委と韓水原は、まともな原因究明や根本的な安全対策をせずに、「安全上の問題はなく、補修して再稼動する」という言葉だけをくり返している。原発を安全に運営し管理する能力も資格もない破廉恥で無責任な韓水原と原安委に、私たちの尊い命を預けることができないことはさらに明白となった。

もしこのままハンビッ1・3・4号機が再稼働してしまったらチェルノブイリと福島の次の犠牲は、私たちになるかもしれない。

取り返しのつかない惨劇が起こることのないよう、私たちはハンビッ1号機の再稼働を阻止し、3・4号機を閉鎖させるために尽力することを決意し、国民の尊い命と安全を守る責務がある政府に要求する。

1. 根本的な原因究明。安全対策の履行。
住民同意のないハンビッ1号機の再稼働決定を撤回せよ!

2. 独立した調査委員会を組織し、ハンビッ1・3・4号機の真相を調査せよ!

3. ハンビッ3・4号機を補修しても無意味だ。即刻閉鎖せよ!

4. 規制に失敗した原安委を、住民や市民社会が参加する技術と安全中心の民主的な規制機関に再編成せよ!

2019年10月19日
ハンビッ原発対応湖南圏共同行動
脱核市民行動

「霊光(ヨングァン)住民は正しかった。真相究明と名誉回復の措置が必要」

キム・ヨングク(霊光原発安全性確保のための共同行動) 「脱核新聞」より

ハンビッ原発3・4号機は1980年代末に設計された韓国初の国内主導型「標準原子炉」だ。しかし建設過程で、手抜き工事に関する情報が住民に相次いで入ってきた。キム・ヨングク霊光共同行動・執行委員長は、韓国電力が、手抜き工事の問題を提起した住民たちを「不純分子」の立場に追いやるなどの過ちを犯したことに対して、謝罪し、名誉回復も行なうべきだと主張する。キム・ヨングク氏にインタビューを行ない、ハンビッ原発建設過程での手抜き工事疑惑に関する内容を整理した。(まとめ:ヨン・ソンロク編集委員)
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1990年代前半に建設されたハンビッ3・4号機では、耐久性に欠陥があるインコネル600という合金素材が蒸気発生器細管や原子炉上蓋など4000ヶ所余りに使用された。当時、霊光の住民はこれに関する設計の問題点を指摘した。

また、現代建設がハンビッ3・4号機の建設を行なったが、無許可でコンクリート工場を運営した。それだけでなく、公共機関が発注する工事は1月と2月の冬季にはコンクリートの打ち込みをしてはならなかったが、ハンビッ3・4号機は1月にも工事を行ない、しかもそれは24時間作業し続ける突貫工事だった。極寒の冬の夜にセメントを流し込んだが、コンクリート固化作業がまともに行なえるはずがなかった。

監督者がきちんといることはなく、韓国水力原子力(韓水原)も規制機関も夜通しの作業をまともに監督することのない中で作業が進行した。

「空隙(すき間)がたくさん発生するに違いない」という情報提供が非常に多くなされた。しかし韓国電力は「不満を抱いた建設労働者が虚偽情報を提供したまでだ」と主張した。

業者は格納容器の建設に必要な鉄筋も間引きした。

でたらめな設計、コンクリートの手抜き工事、鉄筋の間引き、いい加減な管理監督、やっつけ仕事の溶接など問題が非常に多かった。やっつけ仕事の溶接とは両側から配管を接続し、配管が余れば切断し溶接して、足りなければ他の配管を切って取り付けることだ。溶接した所は継続して劣化管理をしながら溶接の健全性を管理しなければならないが、やっつけ仕事だったのでその部分が見つからないまま、設計図面にただ従ったため、でたらめな所を検査することになる。本来は不適合処理をすべきだが、そうすると設計変更をしなければならず、工事期間が長くなるのでしなかった。

霊光では1990年から96年まで、住民がデモ、座り込み、国会請願などを数え切れないほど行なった。手抜き工事の霊光3・4号機の核燃料装填阻止闘争や5・6号機の建設反対闘争へとつながった。「霊光原発追放協議会」が集会を主導した。この協議会の構成はカトリック、円仏教、農民会、農業経営者連合会、霊光社会運動協議会、佛甲寺などが参加し、霊光郡議会が中心となって国会請願をした。90年から96年までに、のべ約10万人がデモに参加した。

ハンビッ5・6号機建設反対闘争へと話が移るが、1994年3月に5・6号機の環境影響評価書の草案の供覧が始まった。5・6号機は温排水の低減施設が決まらない状態で環境影響評価を行なった。住民は5・6号機の建設許可を出さないよう霊光郡に要求した。4号機と5号機の間には地質学的に破砕帯があり、これも問題だった。

霊光住民は96年3月に原発の前で、約5000人が集まって5・6号機建設反対集会を行なった。その過程でトラクターで原発の正門に突入したところ、警察が催涙弾を放った。煙を浴びれば目にしみなくなるという俗説があったため、住民は火をつけた。そして手抜き工事をしながら安全だと喧伝する広報館の壁に腐った乳汁を投げつけた。

その後、集会の主導者として、私をはじめ、カトリック核追放委員会事務局長、農民会幹事の3人が逮捕・取調べを受け、1審裁判で実刑1年6ヶ月を受けた。また、霊光聖堂のパク神父も実刑1年6ヶ月、さらに光州全南核反対団体のキム氏など多くの人が被害にあった。

最近、ハンビッ原発では、立て続けに、格納容器コンクリートの空隙が発見された。とくに、官民合同調査団の調査を通じて格納容器に大規模な穴が発見された。建設当時、住民が主張していた手抜き工事が確認されたということだ。

政府は、手抜き工事の実態と、おろそかな管理監督規制で現在まで運転され続けた実態について、徹底的に調査する必要がある。そして、この件に関して霊光住民が正しかったと確証すべきだ。政府は、韓水原に対して何らかの措置を行ない、霊光住民の名誉回復をどのように行なうかについて住民と協議をしなければならない。

キム・ヨングクさん

*1996年の闘争時、ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパンは不当逮捕への抗議声明を出し、カンパも届けた。現地での集会には、故大庭里美さん、続いて故浜本弘也さんが参加し、それぞれ連帯アピールを行なった。

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★ノーニュークス・アジアフォーラム通信161号(12月20日発行、B5-24p)もくじ

・インド北東部でウラン採掘に反対する先住民族カーシの闘い
・ハンビッ原発ゲート前集会に参加しました (井上年弘)
・ハンビッ原発1号機再稼動反対と3・4号機廃止に向けた決議文
・「霊光住民は正しかった。真相究明と名誉回復の措置が必要」(キム・ヨングク)
・(台湾)「蘭嶼、25.5億元の補償金を断る。核廃棄物の搬出を求める」
・南オーストラリア州での放射性廃棄物処分場建設計画に反対 (ANFA)
・(トルコ)「アックユ原発反対!」 メルスィン反核プラットフォーム・声明
・「老朽原発うごかすな!」行動・2ヶ月半の報告 (木原壯林)
・東海第二原発再稼働反対行動 (永野勇)
・原発は不正な金なしに動かない
― 3272名が関電の原発マネー不正還流を告発 (末田一秀)
・中国電力が海上「ボーリング調査」準備作業を開始 (渡田正弘)
・『原発をとめるアジアの人びと』が英訳されました
・若狭で市民の手による自然エネルギーの共同発電所が始まります (松村志保)

年6回発行です。購読料(年2000円)
見本誌を無料で送ります。事務局へ連絡ください
sdaisukeアットrice.ocn.ne.jp

 

NNAF27年VTR

Korean(한글) 반핵 아시아 포럼 27년 https://youtu.be/zsd-sXxX96s

Taiwan(Mandarin) 非核亞洲論壇26年 https://youtu.be/VlLAvLsKZjc

English No Nukes Asia Forum thru 25 years https://youtu.be/89BE9kbJpP0

Japanese(日本語) ノーニュークス・アジアフォーラム25年 https://youtu.be/ARRDXHv5_H8

*한글PDF VTR@27K-5페이지
*日本語PDF4ページ http://nonukesasiaforum.org/japan/archives/1382

第19回NNAF in 台湾 ダイジェスト、副総統あいさつ

第19回ノーニュークス・アジアフォーラム in 台湾 ダイジェスト
 
■ 9月21日

2019 NNAF開幕にあたり、20年前の9月21日に発生した「9.21大地震」の犠牲者を追悼する祈祷式が行なわれた。長老教会の鄭英兒牧師は当時をふり返り「多くの犠牲者に心から哀悼を捧げる。自然に対抗してはいけない。核を使わないことをここに誓う」と述べた。

続いて、台湾環境保護連盟会長の劉志堅さんが挨拶。「2018年11月の国民投票では、反核側が敗北した。いま私たちは『原発廃止、再生可能エネルギー推進』国民投票を呼びかけている。核のないアジアを作ろう」

施信民さん「台湾は過去5回NNAFを開催し、今年6回目の開催ができて光栄だ。『非核アジア』の目標のために団結し続けよう。各国の反核運動における長年の粘り強い努力に感謝し、33名の海外ゲストの参加を心から歓迎する」

民進党立法委員(国会議員)の陳曼麗さん(立法院再生エネルギー促進連誼会・会長)は、「現在台湾は『非核家園』政策を進めているが、野党の国民党は原発を再開させたいと考えている。1月の選挙では、原発反対の議員を落選させるわけにはいかない」と述べた。また、立法委員の呉焜裕さんは、「福島と同じ事故が台湾で起きたら、想像もできないほど恐ろしい。再生可能エネルギーを進めよう」と訴えた。

次は特別講演。ノーベル化学賞受賞者の李遠哲さん(中央研究院・前院長)は『原子力は私たちの選択肢ではない』と題して講演。「核のゴミを処理するには何十万年もかかる。一旦核災害が起きると、影響は全世界におよぶ。太陽光発電と風力発電がコストの面で一番安くなってきた。ライフスタイルを変えなければいけない」と述べた。

デーブ・スウィーニーさん(ICANオーストラリア共同創設者)は、2017年に受賞したノーベル平和賞のメダルを持参し、「我々は核兵器廃絶の条約を締結させることが目標で、約半分達成できた。今直面している課題は、気候変動と核兵器による大規模破壊だ。立ち上がって行動すべきだ」

呂秀蓮さん(元副総統)は『福島による台湾啓発』として、「台湾は約2300万人の島に4つの原発が立地し、首都から30km圏内に3つの原発がある。台湾の近海には70以上の海底火山があり、第2原発から5kmの海底にも火山がある。原発の近くには活断層もある。原発を廃止し、『非核家園』を実現するには政治的な力が必要だ」と述べた。

佐藤大介さんは「NNAF 25年」の映像(中文)を上映し、「26年間、アジア各国で励まし合ってきた。各地で闘ってきた全ての人々に感謝すべき」と述べた。

続いて、議題1「各国の原子力エネルギー開発と反核運動の状況に関する報告」が行なわれた。台湾:潘翰聲さん(台湾環境保護連盟)、日本:後藤政志さん(NPO APAST)、韓国:キム・ヒョヌさん(エネルギー気候政策研究所)、フィリピン:ディー・ジェイさん(非核バターン運動)、ローランド・シンブラン教授(非核フィリピン連合)、インド:ヴァイシャリ・パティルさん(反核運動全国連合)、中国:ウェン・ボーさん(環境保護基金)、モンゴル:Erdenetsogt Dorjpalamさん(環境と市民委員会)、トルコ:プナール・デミルジャンさん(反核プラットフォーム)、ベトナム:インラサラさん、オーストラリア:マーラ・ボナッチさん(FoE Australia)が報告した。

議題2は「核廃棄物問題と原発事故の被害」として、各国からスピーチが行なわれた。日本:里見喜生さん(いわき湯本温泉ホテル経営)、片岡遼平(原子力資料情報室)、アメリカ:アンエリス・ルアレンさん(カリフォルニア大学准教授)、インド:Marcony Thongniさん(Khasi Students)、台湾:蔡雅瀅さん(蠻野心足生態協会・弁護士)、台湾:楊木火さん(鹽寮反核自救会)が報告を行なった。

夕食は、立法院康園餐廳に移動して歓迎晩宴がひらかれた。美味しい台湾料理を食べながら生演奏や飛び入りの歌も披露され、各国の参加者が歓談して親交を深めた。(片岡遼平)

■ 9月22日

フォーラム2日目である。全般についてだが、発表者のうち半数が女性であり、また各国代表(台湾以外)10名のうち4名が女性であることに驚いた。ジェンダーは「非核」運動の中でも重要なポイントの1つである。

この日は4つの報告セッションと共同声明についてのセッション、閉幕式が行なわれた。4セッションのうち2つは台湾に関わるセッションである。全発表者名は「2019 NNAF 非核亞洲論壇 議程」に書かれている。

最初のセッションは「台湾のエネルギー転換 ─ NGO+産+官+学+研」である。再生可能エネルギーについて、NGO台湾再生エネルギー推動連盟、日益能源科技(太陽光エネルギー)股份有限公司、立法委員(国会議員)、シンクタンクRSPRC、台湾大の研究室が、それぞれの立場から発表を行なった。

第2セッションは「再生エネルギーの未来」である。3名の報告があった。陳惠萍さんは太陽光発電について博士論文執筆と社会的企業を起こし、クラウドファウンディング会社を立ち上げたプロセスを紹介した。明日香壽川さんは、日本の再生エネルギーの状況と課題について報告し、最後に太陽光発電のコストが下がり続けていることを指摘した。

第3セッションは「台湾の原発についての公民投票」。3名の報告があった。2018年の公民投票結果(「2025年までに原発の運転を全て停止する」という電気事業法の条文の削除)も踏まえた分析や、今後どう進めるかについての報告があった。3人目の施信民さんは「明確な公民投票の結果が出れば政府もそれに従う」と締めくくった。

第4セッションが「廃炉と原発事故の被害」である。5名の発表があった。その中で、青木一政さんは、放射能を測る中で見えた具体的な問題を紹介し「市民自らが測定し監視することが大きな力になる」とした。伊藤延由さんは福島・飯舘村に住むことについて話した。自然の恵みである山菜の汚染度が高いことや、一度事故が起これば取り返しがつかないことなどを話した。
また、第一原発と第二原発の真ん中に住んでいる郭慶霖さんが育ったところは素晴らしい景観があったこと、小学校入学時に原発建設が始まったことなど、原発が作られる(自然が奪われる)歴史を紹介し、原発廃絶の必然性を訴えた。

「総合討論/共同声明討論」では、全体についての議論のあと、共同声明案(長短バージョン)を示し、短いバージョンをもとに意見交換を行なった。

「閉幕式」では、台湾および台湾外からの10国(日本、モンゴル、フィリピン、オーストラリア、ベトナム、インド、韓国、トルコ、中国、アメリカ)の代表がひと言づつ挨拶をし、それぞれの現場で非核にとりくんでいくことを表明した。いくつかのコメントを抜粋する。日本「台湾にならって脱原発を頑張る」、フィリピン「(NNAFで)さらなる交流を深めたい」、インド「抗議活動をするとき弾圧されるがNNAFで勇気をもらった」、トルコ「民主化がなければ情報の透明化が実現できない(脱原発に必要)」、中国「啓発教育が大切」、アメリカ「ゼロ原発の世界を作りたい」。

次回開催予定の韓国の挨拶、閉幕挨拶をもって2日間の会議が終了した。(吉野太郎)

■ 9月23日

海外参加者30数名は、副総統(副大統領)の陳建仁氏を表敬訪問した。陳副総統は会見の冒頭、参加者一人ずつと握手した上で、「台湾総統と国民を代表して皆さんを歓迎するとともに、長年にわたる脱原発へのとりくみに感謝の意を表したい。政府として、2025年までに脱原発を達成するという目標を打ち出しており、先の国民投票の結果は残念だったが、持続可能な発展のために、脱原発政策を堅持する」などと挨拶をした。

続いて、参加者代表として、佐藤大介さん、後藤政志さん、デーブ・スウィーニーさんが副総統に向けてメッセージを伝えた。

午後は、郭慶霖さん(北海岸反核行動連盟)の案内で、まず第二原発周辺を見学した。排水口が接する海辺の広場は、周辺観光地を表す地図看板の表示名に「第二原発事故時の緊急避難先」とある以外は、ごく一般的な海辺であり、この日も釣り人が数人訪れていた。そのすぐ傍らに、排水口は防波堤で取り囲むようにあり、勢いよく水が噴き出していた(訪問時点で2機が稼働中)。1993年、この付近で背骨の曲がった魚が大量に発見されたという。

第一原発へ向かう途中、第二原発の下を走るとされる「山脚断層」を理解するため、金山区(新北市)に立ち寄った。小高い丘から海岸方向と内陸方向を眺めると、山脚断層は、海岸砂丘に直交するように横切っていることがわかる。原発が建設された当時は、断層上に原発があるリスクが認識されていなかったそうだ。なお、この近辺は第一、第二原発から10km圏内にあり、近くには、原発事故時の避難場所を示す案内標識が立っていた。

第一原発の先には緑濃い山々が見えたが、第一原発の排水は、その内陸部から流れる川の水と混ざり合っているという。排水口のそばで郭慶霖さんは、原発建設が始まった1970年代は戒厳令下にあり、情報もなく、異を唱えることもできないまま、ふるさとの自然やコミュニティが破壊されてしまった歴史を語ってくれた。

なお、第一原発は廃炉が決まり、運転は停止している。すぐ横には、観光スポットとして有名な寺院があり、多くの観光客で賑わっていた。

その後、バスは海岸線を走り、第四原発に向かった。第四原発のすぐそばに抗日記念碑があり、そこを見学する予定だったが、時間の都合で見送られた。第四原発周辺は海水浴場、温泉もあるというリゾート地である。第四原発は、過去には死者も出るような激しい反対運動も展開されたが、現在は建設凍結が決まり、正門前は静まりかえっていた。燃料棒は、2020年末までに8回に分けて順次米国に輸送され、原発施設の解体が行なわれる予定だという。

貢寮で、「反核自救会」の人たちを交えた夕食交流会が行なわれた。楊木火さんが第四原発の技術的な問題点を、呉文通さんが反対運動の経過をお話しされ、その後、参加者との質疑応答が行なわれた。

第四原発は、建設凍結中であるものの、来年1月の総統選の結果次第で情勢が変わる可能性がある。日本側からの意見として、まさに第四原発にも関わった東芝の元技術者後藤さんは、「万が一、第四原発の建設工事が再開され稼働することになれば、非常に危険だ。まず、建設から相当年数が経っているプラントは、さびなどの経年劣化がどこにあるかわからない。また、ABWRは最新型とはいえ、経済性を重視したプラントで、安全性が高いということではない。格納容器が小さいため、事故が起こると圧力が急に上昇してしまう」と問題点を指摘した。

飯舘村の伊藤さんは「移住したいと思うほど台湾の気候や食べ物が気に入ったが、今回、原発が活断層の上に立地していることを知りショックを受けた。台湾の方々には、福島事故の教訓をさらに学んでほしい」と訴えた。(白井聡子)

■ 9月24日

今日は、台湾の南端の屏東県に。台北駅8時半発の高速鉄道(新幹線)を利用し高雄市の左榮駅で下車。貸し切りバスで屏東県に向かう。屏東県は、農業や観光が主要産業。米が三毛作できる温暖な地域で、日射しも強く感じられた。しかし、地盤沈下や土地の塩化問題も起きているそうだ。

屏東は第三原発の立地県であるが、県政府が再生可能エネルギー利用に積極的にとりくんでいる。民間企業と共同での、台湾初の「水上(浮体式)太陽光発電」を見学し、

そして、太陽光発電と野菜・果物栽培をドッキングさせた「ソーラーシェアリング」の大規模設備も見学した。発電設備容量は約3000キロワットだそうだ。

昼食は恒春にある海鮮レストランで豪華な魚介類料理をいただく。これは屏東県政府のおごりらしい・・・。とっても新鮮でおいしく、屏東県は海の幸に恵まれていると納得。

午後からは、恒春の農業関係庁舎での「第三原発の廃炉問題に関する地元住民との座談会」。放射性廃棄物をどうすべきか、行政も含め議論中とのこと。原発のある地域一帯は「墾丁国家公園」であり、台湾有数の観光地として有名で観光産業が重要な収入源。しかし、地域住民には廃炉問題についてきちんと説明していないようだ。住民は、観光産業に打撃を与えないか、あるいは廃炉に伴う雇用減を心配している。

原発は海水浴ができる美しい砂浜が続くビーチ沿いに立地し、原発建屋がビーチから丸見えなのでびっくり。(渡田正弘)

■ 9月25日

台湾の南端にある国家公園内のホテルを8時にバスで出発。南湾を進んでいくと美しい砂浜が続く。風力発電装置が並び、さすがと思っていると、長く続く海水浴場になっているビーチのすぐ後ろに2基の第三原発があり驚く。

第三原発ゲート到着。「ノーニュークス 台湾! ノーニュークス アジア! ノーニュークス ワールド!」とアピールした後、屏東県庁へ。到着までバスで2時間、参加者それぞれが心のこもったスピーチを。

10時半、屏東県知事の潘孟安氏と面会、意見交換。潘知事は、私たちを歓迎してくださり、「第三原発の寿命延長は認められない。2025年に台湾は原発ゼロとなる。屏東県の民生用電力を2021年までに100%再生エネルギーにする」と決意を述べられた。

その後、県庁で記者会見をし、台北駅へと向かい解散。(大野恭子)

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陳建仁副総統 あいさつ  2019.9.23 総統府にて

みなさま、おはようございます!
皆様とお会いできて、本当にうれしく思います。第19回NNAFが台湾で開催されたことは、大変に光栄なことです。それは、海外の友人たちが非核国家をめざしている私たちの努力を認めて下さったからだと考えるからです。台湾へようこそいらっしゃいました。皆様を心から歓迎いたします。

1993年に設立されて以来ノーニュークス・アジアフォーラムは、核も原発もない未来の世界を実現するために、相互に学び合い励まし合いながら、関係性を醸成し、情報交換を行ない、共同行動を行なうことに尽力してきました。台湾環境保護連盟は、核も原発もない台湾を実現するため長年にわたって献身的に活動してきたことで広く知られています。連盟がNNAFのホスト国として名乗りを上げてくれたこの機会に、経験を分かち合うために台湾までお越しくださった各国からの参加者のみなさんに、私からお礼を述べさせていただきたいと思います。

当初から、この政権は非核政策を堅持してきました。2002年にさかのぼりますが、台湾は環境基本法を通過させ、非核家園(核も原発もない台湾)が私たちの目標であることを明示しました。

蔡英文が2016年に総統に就任した後、政府はエネルギー部門を改革するための政策に着手し、積極的に再生可能エネルギーを推進してきました。その政策は、現存する原発は運転期間が経過したら廃炉にすることをめざしており、それによって2025年には非核家園というゴールを実現するというものです。

もちろん、非核家園に続く道の途上では、異を唱える声が常にあがることでしょう。昨年は、国民投票16番が通過し、その国民投票の結果に基づいて、「2025年までに原発の運転を全て停止する」という電気事業法の条文を削除しました。

しかし台湾は小さくて人口稠密な国であり、放射性廃棄物を処分する場所もありません。ですから持続可能な開発を確かなものとするため、そして台湾市民の命と財産を守るため、私たちはさらに前進することを決意し、非核家園を実現するためこれまで通り邁進していきます。

ノーニュークス・アジアフォーラムは、非核政策を推進するため、日本、韓国、フィリピン、ベトナム、インド、トルコ、モンゴル、オーストラリア、アメリカ、中国が参加しています。私たちも非核家園を長年にわたり自分たちの目標としてきましたので、第19回NNAFが台湾で開催されたことには、とりわけ大きな意味があるのです。

ここで、私は改めて、台湾が非核家園となるために努力していくことを申し上げます。フォーラムに参加した各国代表者の交流が、エネルギー産業の改革と非核アジアを実現するためにさらなる可能性を発見するよう願っております。

もう一度、言わせてください。みなさん、台湾へようこそいらっしゃいました。
ありがとうございました!

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2019 NNAF 非核亞洲論壇 議程

■ 9 月 21 日
【開幕式】
司会:董建宏(台湾環境保護連盟・学術委員)
追思 921 祈禱儀式:鄭英兒(台湾基督長老教会・牧師)
挨拶:劉志堅(台湾環境保護連盟・会長)、施信民(非核亞洲論壇・台湾召集人)
来賓挨拶:陳曼麗(立法院再生エネルギー促進連誼会・会長)、呉焜裕(立法委員)
【專題演講】
司会:楊聰栄(台湾環境保護連盟・執行委員)、施信民(非核亞洲論壇・台湾召集人)
・李遠哲(中央研究院・前院長)・ Dave Sweeney(ICANオーストラリア)
・呂秀蓮(元副総統)・ Sato Daisuke(非核亞洲論壇・日本事務局長)
【各国報告】
司会:徐光蓉(媽媽監督核電廠連盟・理事長)、劉志堅(台湾環境保護連盟・会長)
・台湾:潘翰聲 ・日本:後藤政志 ・韓国:Kim Hyunwoo ・フィリピン:Djoannalyn Janier & Roland G. Simbulan ・インド:Vaishali Patil ・中国:Wen Bo ・モンゴル:Erdenetsogt Dorjpalam ・トルコ:Pinar Demircan ・ベトナム:Inrasara ・オーストラリア:Mara Bonacci
【核廃棄物問題と原発事故の被害】 
司会:劉俊秀(台湾環境保護連盟・前会長)
・日本:里見喜生 ・日本:片岡遼平 ・アメリカ:Ann-Elise Lewallen ・インド:Marcony Thongni ・台湾:蔡雅瀅(蠻野心足生態協会・弁護士)・台湾:楊木火(鹽寮反核自救会)

■ 9 月 22 日
【台湾のエネルギー転換 ─ NGO+産+官+学+研】
司会:葉国樑(台湾教授協会・環保組召集人)
・高茹萍 ・畢婉蘋 ・陳曼麗 ・林木興 ・高成炎
【再生エネルギーの未来】
司会:高茹萍(再生エネルギー推動連盟・理事長)
・日本:明日香壽川 ・陳惠萍 ・鍾寶珠
【公民投票について】
司会:吳明全(台湾環境保護連盟・学術委員会召集人)
・沈軒宇(緑色公民行動連盟)・葉慈容(臨門一腳團)・施信民(非核亞洲論壇・台湾召集人)
【廃炉と原発事故の被害】
司会:方儉(緑色消費者基金会・秘書長)
・日本:青木一政 ・日本:伊藤延由 ・謝蓓宜(環境法律人協会)・郭慶霖(北海岸反核行動連盟)・張怡(屏東県環境保護連盟)
【総合討論/共同声明討論】
司会:劉志堅会長(台湾環境保護連盟・会長)、リンダ・アリーゴ(台湾環境保護連盟)
【閉幕式】各国代表挨拶、次回開催国(韓国)挨拶

■ 9 月 23 日
・海外参加者が総統府訪問、副総統の陳建仁氏と面会
・第一、第二原発、凍結された第四原発へ ・夕食交流会(第四原発のある漁村・貢寮にて)

■ 9 月 24 日
・南部の屏東県へ、浮揚式太陽光発電とソーラーシェアリング施設を見学
・恆春で住民との座談会

■ 9 月 25 日
・第三原発へ ・屏東県庁を訪問、屏東県知事の潘孟安氏と面会

● 主催:台湾環境保護連盟、七星生態保育基金会、ママ原発監督連盟、台湾教授協会、台湾基督教長老教会、緑色消費者基金会、野薑花公民協会、国家展望文教基金会、台湾再生エネルギー推動連盟
● 共催:環境法律人協会、台湾樹人会、台湾北社、看守台湾協会、蛮野心足生態協会、緑色公民行動連盟、北海岸反核行動連盟、主婦連盟環境保護基金会、台湾環境公義協会、国立台湾大学研究生協会、台日産経友好協会、台湾数位電商創新協会、高雄市愛益獅子会、凱達格蘭学校校友会悦閲書巻社、澎湖青年陣線
● 協力:行政院経済部、行政院環境保護署、屏東県政府、義美環境保護基金会

*通訳・翻訳:管明芳、リンダ・アリーゴ、トニー・ボーイズ、近藤敦子、アンエリス・ルアレン、郭金泉、陳威志ほか
*写真:とーち、片岡遼平ほか

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★ノーニュークス・アジアフォーラム通信160号(10月20日発行、B5-28p)もくじ

・2019 NNAF 非核亞洲論壇 議程
・第19回ノーニュークス・アジアフォーラム in 台湾 ダイジェスト
(片岡遼平、吉野太郎、白井聡子、渡田正弘、大野恭子)
・陳建仁副総統 あいさつ
・ノーニュークス・アジアフォーラム2019 in台湾 共同声明
・NNAF in 台湾 に参加して
(青木一政、明日香壽川、伊藤延由、宇野田陽子、大野恭子、片岡遼平、後藤政志、佐藤大介、里見喜生、白井聡子、とーち、トニー・ボーイズ、吉井美知子、吉野太郎、渡田正弘)
・東電刑事裁判の「判決」に思う (武藤類子)
・隠される原発事故被害と「見える化」プロジェクト (満田夏花)
・関電の原発マネー還流事件を徹底究明し、原子力からの撤退を求める集会決議
・その後のシノップ (小川晃弘)

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「ノーニュークス・アジアフォーラム in 台湾」報告会(広島・大阪・東京)

■ 広島  10月27日(日)14:00~16:30
報告:渡田正弘
・広島国際会議場3階研修室2(広島市中区)

■ 大阪  11月29日(金)18:30~20:30
報告:吉野太郎、宇野田陽子、とーち、吉井美知子
・総合生涯学習センター第2研修室(大阪駅前第2ビル)
★同時開催「台湾脱原発ポスター展」(大パネル20枚)

チラシ表 http://nonukesasiaforum.org/japan/wp-content/uploads/2019/10/191129a.jpeg
チラシ裏 http://nonukesasiaforum.org/japan/wp-content/uploads/2019/10/191129b-1.jpg

■ 東京  12月14日(土)14:00~16:30 「アジア初の脱原発に向かっている台湾」
報告:佐藤大介、後藤政志
・「スペースたんぽぽ」(水道橋ダイナミックビル4F)

チラシ表 1214a
チラシ裏 1214b

来年1月11日の総統選挙・立法委員選挙を前にした台湾でノーニュークス・アジアフォーラムが開催された。11か国が参加し、国際会議のほか、副総統(副大統領)との面会、第一、二、三、四原発の現地へ。

第一原発1号機は昨年12月に、2号機は今年7月に40年の寿命を迎えた。廃炉が決定している。日立・東芝が原子炉を輸出した第四原発の建設は2014年に凍結。

2017年、民進党政権は民衆の声にこたえ、脱原発政策(2025年までに原発ゼロ)を決定した。しかし国民党をはじめとする原発推進派は、18年の国民投票で「2025年までに」を覆してしまった。韓國瑜(国民党の総統選候補)は第四原発を再開すると明言している。推進派とのせめぎ合いのなか、アジア初の脱原発に向かって奮闘努力している台湾の状況を報告します。

第19回NNAF in 台湾 ダイジェスト、副総統あいさつ


・・・ 海外参加者30数名は、副総統(副大統領)の陳建仁氏を表敬訪問した。陳副総統は会見の冒頭、参加者一人ずつと握手した上で、「台湾総統と国民を代表して皆さんを歓迎するとともに、長年にわたる脱原発へのとりくみに感謝の意を表したい。政府として、2025年までに脱原発を達成するという目標を打ち出しており、先の国民投票の結果は残念だったが、持続可能な発展のために、脱原発政策を堅持する」などと挨拶をした。

●「NNAF in 台湾」参加者より

「台湾第四原発は、私が東芝で設計に従事していた柏崎刈羽6号機と同型のABWR(改良沸騰水型)です。ABWRは最新の原発と言われますが、熱出力当たりの格納容器の容積が小さく、安全性が懸念されていた原発です。第四原発の門の前で、ノーニュークス・アジアフォーラムに参加された皆さんと、横断幕を広げてシュプレヒコールをしたことは万感の思いでした。また、第四原発の建設に反対して長い間たたかってこられた台湾の人たちと交流できたことは大きな成果でした」(後藤政志)

「台湾は脱原発を宣言、実行中であり、その中で住民運動が果たしてきたことを実感できました。見習うべき点が実に多いと感じました」(伊藤延由)

「台湾の脱原発政策を確立させてきた運動の歴史に感銘を受ける日々でした。とはいえ、今の若い人々に重苦しい雰囲気はなく、発表者にも女性の姿が多く、そして誰もが和気あいあいと楽しそうで、そのマインドが広く着実に受け継がれていることを実感し、台湾の脱原発運動の強さを見た思いがします」(白井聡子)

「脱原発は、まさに原発推進派、核推進派との長い闘争過程であることを学びまし
た」(青木一政)

「スピードの違いはあるものの、アジア各国でもエネルギー転換は確実に起きてい
る。今回のNo Nukes Asia Forumに参加していた人々は、一見、温和な感じがする人が多かった。ただ、その温和な顔の裏側には、それこそ多くの『血と汗と涙』が隠されているようにも思った」(明日香壽川)

「現在の素晴らしい台湾は、多くの台湾人が長年の苦難を乗り越えてきた歴史の上に築かれていることを是非知ってほしい」(渡田正弘)

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★ノーニュークス・アジアフォーラム通信160号(10月20日発行、B5-28p)もくじ

・2019 NNAF 非核亞洲論壇 議程
・第19回ノーニュークス・アジアフォーラム in 台湾 ダイジェスト
(片岡遼平、吉野太郎、白井聡子、渡田正弘、大野恭子)
・陳建仁副総統 あいさつ
・ノーニュークス・アジアフォーラム2019 in台湾 共同声明
・NNAF in 台湾 に参加して
(青木一政、明日香壽川、伊藤延由、宇野田陽子、大野恭子、片岡遼平、後藤政志、佐藤大介、里見喜生、白井聡子、とーち、トニー・ボーイズ、吉井美知子、吉野太郎、渡田正弘)
・東電刑事裁判の「判決」に思う (武藤類子)
・隠される原発事故被害と「見える化」プロジェクト (満田夏花)
・関電の原発マネー還流事件を徹底究明し、原子力からの撤退を求める集会決議
・その後のシノップ (小川晃弘)

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ノーニュークス・アジアフォーラム2019 in台湾 共同声明

2019年9月21日から25日、私たちは第19回ノーニュークス・アジアフォーラムを台湾で開催した。5日間にわたって討論や現地訪問を行ない、私たちは下記の声明をとりまとめた。

1.私たちは、長い経験とこのフォーラムでの議論を通して次のような現状認識に至った。

● 原発は人道において賢明な選択肢ではない。原発は大地と、今の世代のみならず子々孫々の健康をも破壊する。可及的速やかに再生可能エネルギーへと転換を行なうことは、気候変動の緊急事態に対する唯一の信頼できる対応である。この転換は、その土地に暮らすコミュニティにいかなる被害をももたらさずに実現されなければならない。

● 原発はクリーンでもなく、安全でもなく、巨額の費用なしには存在できず、ましてや再生可能エネルギーではない。化石燃料による発電よりも発電段階での排出二酸化炭素が少ないという理由だけで、気候変動への解決策として受けとめられてはならない。ウラン採掘に始まり使用済み核燃料の再処理や貯蔵まで、さらには原発の建設や核燃料製造などでの二酸化炭素排出も含めて、核のサイクル全体として計算されなければならない。さらに、原発からは放射性物質や排熱も放出されるし、放射性廃棄物も生成される。

● 原発、核兵器、化学兵器は密接に絡み合っている。それらは環境と世界平和に対する重大な脅威である。

● 先住民や少数民族、とくに辺境地域に暮らして政治的な力や声を持つことができない人々が、放射能汚染の被害者となる事態が連綿と続いてきた。それはウラン採掘、核実験、原発の運転、放射性廃棄物の処分におよび、そうした事例はオーストラリア、台湾、中国、インド、アメリカ、南太平洋諸国などでみられる。「経済発展」などという神話で、少数者に破壊や死を強いることを道徳的に正当化することはできない。彼らの土地を強制的に収用したり汚染したりする行為は、文化的そして物理的な大量虐殺として認識されるべきである。そしてその過ちを正すためには、金銭的な補償だけではなく、彼らの土地権を復活させること、線量のモニタリングを改善すること、健康を守るためのサービスを活用できるようにすること、土地の包括的な回復などが行なわれなければならない。

● 多くの原発が運転期間の終わりに近づきつつある。廃炉、敷地の除染、線量のモニタリング、放射性廃棄物の管理(いわゆる中間貯蔵施設も含めて)などの難しいとりくみが、すべて厳格で持続的な独立性のある監視の下で行なわれなければならない。

● 原発はいわゆる先進国では減少しつつあるが、中国やインドなどの発展途上国では新規原発の計画や建設が行なわれている。それらは多くの場合、技術的な問題点を隠すような強権的な政府の下で行なわれている。福島での経験にもかかわらず、原発の再稼働や、棚上げにされていた原発の建設を再開しようとする国もある。古い原発を運転延長することは、さらに危険を高めることになる。

● 私たちは、エネルギーの民主主義を求める。これは、メディア、政府、産業界の透明性を高めること、社会でのコミュニケーションを促進すること、政策に関する教育とディベートに十分な時間と場所を確保することなどによって構築できる。市民による選挙と投票のプロセスの中で、利害対立を含めて完全な情報開示がなされなければならない。

2.こうした状況に直面し、私たちはお互いに学び合い、協力し合い、密に情報交換を行ない、あらゆる国での反原発運動をサポートするために共同行動を続けなければならない。これからとりくむべきことは、核も原発もないアジア、世界を究極的な目標として、自然エネルギーを開発し活用するよう市民や地域社会に働きかけることだ。この時点でとるべき具体的な行動は以下である。

● アジアのすべての国々に対して、核兵器禁止国際条約を支持、署名、批准することを求める。

● 原発や核技術の輸出を行なう原子力産業や国家に反対していく。それらは、この惑星やそこで暮らす人々を傷つけることで利益を得ようとする行為である。

● 地震の危険性が高い国々が原発計画を断念するよう指導し決断させる責任を果たすことを、IAEAに要請していく。それは、インドや台湾やトルコなどとくに断層の活動が知られている国々に対して、福島原発震災の教訓から学ぶことによってなされることが重要である。

● オーストラリア、インド、南太平洋諸国、中国、モンゴル、ロシア、台湾、日本を含む国々において、ウラン採掘、放射性廃棄物処分、核実験などによる放射能汚染の被害者が認定され、支援を受け、補償されるようすべての機関や政府に促す。

● 台湾の人々に対して、「原発廃止、再生エネルギー推進」国民投票のための請願署名に参加するよう促す。建設中の台湾第四原発は、まだ放射能で汚染されていないのだから、このまま完全に閉鎖し、自然エネルギーの発電所にするか、地域のニーズによって転換すべきだ。近い将来廃炉にしなければならない原発は、責任をもって対処されなければならない。低レベル廃棄物の焼却は中止すべきだ。蘭嶼島から放射性廃棄物処分場は撤去されるべきだ。

● 私たちは、放射線防護に関する新しいICRP勧告案を拒否する。改定される被曝線量のレベルは、原発事故の後にその場所にとどまってもリスクは低いということを示唆するものとなっている。

● 私たちは、福島原発事故の責任を問う刑事裁判の東京地裁判決を非難する。判決では、3人の東京電力幹部が無罪とされた。私たちは、福島原発事故の被害者を支持することを宣言する。

● 私たちは2020年が、東京での夏季オリンピック開催と、広島・長崎への原爆投下から75周年という、日本にとって非常に意味のある年になることを認識している。オリンピック精神の真の理念が、福島原発事故がもたらす終わりのない、解決されない人的影響及び環境的影響から耳目をそらさせるためのプロパガンダとして利用されてはならない。

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★ノーニュークス・アジアフォーラム通信160号(10月20日発行、B5-28p)もくじ

・2019 NNAF 非核亞洲論壇 議程
・第19回ノーニュークス・アジアフォーラム in 台湾 ダイジェスト
(片岡遼平、吉野太郎、白井聡子、渡田正弘、大野恭子)
・陳建仁副総統 あいさつ
・ノーニュークス・アジアフォーラム2019 in台湾 共同声明
・NNAF in 台湾 に参加して
(青木一政、明日香壽川、伊藤延由、宇野田陽子、大野恭子、片岡遼平、後藤政志、佐藤大介、里見喜生、白井聡子、とーち、トニー・ボーイズ、吉井美知子、吉野太郎、渡田正弘)
・東電刑事裁判の「判決」に思う (武藤類子)
・隠される原発事故被害と「見える化」プロジェクト (満田夏花)
・関電の原発マネー還流事件を徹底究明し、原子力からの撤退を求める集会決議
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Joint Statement of 2019 No Nukes Asia Forum – Taiwan

On Sept. 21-25, 2019, we, as below, held 2019 No Nukes Asia Forum – Taiwan. After 5 day’s discussion and visiting, we reached the conclusions and declarations stated below.

Ⅰ. From our long experience and from our discussions in this forum, we have come to the following realizations of the current situation:

  • Nuclear power is not a wise choice for humanity. It destroys the land and health of this and innumerable future generations. The urgent transition to renewable energy sources is the only credible response to the climate emergency. This transition must be done without causing any harm to Indigenous communities.
  • Nuclear power is not a clean, safe, affordable or renewable energy source. It cannot be accepted as a response to climate change simply because it has lower carbon emissions than fossil fuels. It must be considered within the life span of nuclear chain. Beginning form uranium mining to nuclear waste processing and storage, including nuclear power plant construction and fuel processing carbon emission steps should be calculated as a whole. Furthermore, it releases radioisotopes and waste heat and generates radioactive wastes.
  • Nuclear power cannot be an energy solution while it is insoluble with its nuclear waste issue and climate crisis makes it more risky because of uncertain access to cooling water. We can not accept to use our planet’s precious water to cool nuclear power plants while the world itself will be experiencing droughts and disasters.
  • Nuclear power, nuclear weapons, and chemical weapons are closely entwined; they are a massive threat to the environment and to world peace.
  • Indigenous and minority peoples, especially those who live in remote areas and who often have little political power or voice – have long been the victims of radiation contamination from mining, nuclear weapons testing, nuclear power plant operation, and nuclear waste disposal – as seen in Australia, Taiwan, China, India, U.S.A., and the South Pacific. The myth of “economic development” cannot morally justify destruction and death for a minority. Expropriation and contamination of their land must be recognized as both cultural and physical genocide, and rectified not just with monetary compensation, but with restoration of their land rights, improving radiation monitoring, access to health services and comprehensive rehabilitation of the land.
  • Many nuclear reactors are now approaching the end of their operational life. This poses serious challenges, including decommissioning, land cleanup, radiation testing, and management of nuclear waste (including so-called temporary storage), must all be subject to rigorous and ongoing independent monitoring.
  • Nuclear energy is shrinking in developed countries, while in China, India and other developing countries new plants are being planned and constructed, often under authoritarian governments that readily cover up technical shortcomings. Despite the experience of Fukushima, some countries are planning to restart inactive reactors and revive designs for plants that were shelved. The continued operation of older reactors brings them into a stage of higher risk.
  • We need energy democracy. This can be built by improving the transparency of media, government and industry; promoting communication in society; allowing sufficient time and place for education and debate on policy. In citizens’ electoral or voting processes, there must be complete disclosure of information, including conflict of interest.

  • Ⅱ. To meet this situation, we must learn from each other and cooperate with each other, closely share information, and continue joint actions to support the anti-nuclear movements of all countries. The further task is to stimulate citizens and local communities to develop and utilize green renewable energy, with the ultimate goal of a future that is a nuclear-free Asia and nuclear-free earth. Specific actions to be taken at this time are as follows:
     
  • Urge all Asian countries to support, sign and ratify the International Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons.
  • Contest the nuclear industry and countries exporting their nuclear plants and technology in order to make a profit from harming the planet and its people.
  • Urge IAEA to take responsibility to guide and to convince the countries especially which are very well known with their fault lines, such as India, Taiwan and Turkey, to stop their nuclear projects by learning from lessons such as of earthquake and consequences of Fukushima nuclear disaster .
  • Urge all parties and governments to acknowledge, support and compensate the victims of radiation contamination from uranium mining, radioactive waste dumping and nuclear testing, including those in Australia, India, South Pacific, China, Mongolia, Russia, Taiwan, and Japan.
  • Urge the people of Taiwan to participate in signing the petition for a referendum on “Abolish Nuclear, Get Renewable”. The uncompleted Nuclear Power Plant No. 4 must be fully dismantled while it is still not radioactive. The site should be transformed to renewable energy generation and/or local needs. For the nuclear power plants that must be decommissioned in the near future, nuclear waste must be dealt with responsibly. Burning of low-level nuclear waste should be stopped, and the nuclear waste dump should be removed from Orchid Island.
  • We reject the new ICRP draft on radiological protection. Its revision of reference levels for exposure doses suggests that staying in place after an accident poses a lower radiological risk than evacuating.
  • We condemn the verdict of the Tokyo District Court, which found three former TEPCO executives not guilty in the criminal lawsuit concerning the Fukushima nuclear accident. We declare our support for the victims of the Fukushima NPP accident.
  • We acknowledge that 2020 will be a significant year in Japanese nuclear-free politics with the hosting of the summer Olympics and the 75th anniversaries of the Hiroshima and Nagasaki bombings. The true ideals of the Olympic spirit must not be subverted for partisan or propaganda use to distract from the continuing and unresolved human and environmental impacts of the Fukushima crisis.

【声明】 ハンビッ1号機原子炉出力急上昇事故  今すぐ廃炉せよ

 全羅南道の霊光(ヨングァン)郡にあるハンビッ原発1号機で5月10日に起きた出力急上昇事故に対して、脱核市民行動(準)が22日に記者会見を行ない、下記の声明を発表した。
 制御棒の制御能力を測定するための試験中、原子炉の出力が制限値の5%を超えて18%にまで急上昇した。事故の対応や情報公開が遅れたことが問題になっている。

【声明】 原発事業者の安全への無感覚と「事なかれ主義」が起こした
ハンビッ1号機原子炉出力急上昇事故  今すぐ廃炉せよ

5月10日に霊光(ハンビッ)1号機で起きた原子炉出力急上昇事故が衝撃を与えている。幸いなことに大きな事故にはつながらなかったが、韓国の原発でも故障や人的ミスによって大きな事故が発生する可能性があることが浮き彫りになった。また、こうした危険な状況に対処する一連の過程において、安全に無頓着な風潮が蔓延していることも明らかになった。つまり、原発の運営管理が市民の安全を優先するよりも事業者である㈱韓国水力原子力の利益と判断を優先していることが明白になった。

原子力安全委員会は、この事故により史上初めて特別司法警察官を投入し、霊光(ハンビッ)1号機の使用停止を命令した。しかし、事件の正確な原因と状況はいまだ解明されておらず、疑惑はむしろ深まっている。試験稼動の運営指針に定められている数値(5%)を超えて原子炉熱出力が発生、緊急に停止措置を施さなければならなかったにもかかわらず、どうして12時間がすぎてようやく手動で停止させたのか、きちんとした解明が行なわれていない。

これまで明らかになったことは、事件発生から5時間30分後に原子力安全技術院の事故調査団が現場に到着するまでの間、熱出力が18%まで急上昇したにもかかわらず、その報告さえも行なわれなかったということだ。また、原子力安全委員会が問題を把握し措置を施すのに時間がかかりすぎたのはなぜなのかについて徹底して解明されなければならない。

そのうえ、今回の事件が無免許の作業者が制御棒を操作したことで発生したということも衝撃的だ。自動車でさえも免許なしに運転できないのに、市民の安全と直結する原発の運営を無資格者が操作すること自体が、㈱韓国水力原子力の安全への無感覚と「事なかれ主義」を露呈している。

今回の事件に対して、徹底した真相調査と責任者究明などの再発防止対策が必要だ。大きな事故につながらなかったのを理由に、あいまいな責任逃れ用の対策発表など聞きたくもない。これまで霊光1号機では、格納容器の鉄板とコンクリートに穴が見つかったうえに、今年に入って1月と3月に火災が発生するなど、絶え間なく地域住民と市民を不安にしている。国民がいつまでこうした状況をがまんできるというのだろうか。不安で危険な原発は、これ以上無責任に稼動せず廃止にするのが最善の再発防止対策であることを、理解しなければならない。

2019年 5月 22日
脱核市民行動(準)
(キリスト教環境連帯、緑色党、緑色連合、大田脱核希望、仏教生態コンテンツ研究所、仏教環境連帯、市民放射能監視センター、エネルギー気候政策研究所、エネルギー正義行動、霊光核発電所安全性確保のための共同行動、正義党、脱核慶州市民共同行動、脱核エネルギー転換全北連帯、済州脱核道民行動、参与連帯、天主教イエス会社会使徒職委員会、韓国YWCA連合会、ハンサルリム連合、核のない世界のための高敞郡民行動、核のない世界光州全南行動、環境運動連合)

(ノーニュークス・アジアフォーラム通信No.158より)

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★ノーニュークス・アジアフォーラム通信158号(6月20日発行、B5-24p)もくじ

・インラサラ氏 初来沖・来日に向けて (吉井美知子)
・ノーニュークス・アジアフォーラム2019 in台湾 ― 開催のお知らせ ―
・427廃核デモ (台湾環境保護連盟)
・台湾、来年も国民投票? 原発推進の揺り戻しと脱原発の秘策とは?
(満田夏花)
・(韓国)ハンビッ1号機原子炉出力急上昇事故 今すぐ廃炉せよ
(脱核市民行動(準))
・(トルコ)シノップに原発反対派の新市長 反原発集会を開催 (森山拓也)
・「シノップの娘」 (佐藤真紀)
・東海第2原発と県民投票 (曽我日出夫)
・日本原電・東海第二原発の現状と問題点 (披田信一郎)
・学習会・外国人労働者と被ばく労働 (片岡遼平)
・現在運転中の原発はテロ対策だけでなく「免震重要棟」もない (小坂正則)
・市民放射能測定所から、「放射線副読本」回収へのとりくみ (田中陽介)
・「脱原発の運動史 -チェルノブイリ、福島、そしてこれから-」紹介
(小木曾茂子)

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