33年、未だに終結しない、オンカラック研究炉建設計画

(สื่อคุณภาพของคนรุ่นใหม่ที่คัดเลือกประเด็นอย่างพิถีพิถัน ส่ใจในบทสนทนาและความจริงของผู้คนทุกชนชั้น
THAI PUBLIC BROADCASTING SERVICE 11.16)

オンカラック住民たちが公聴会を「粉砕」、9月10日

タイ・オンカラックで研究炉建設計画を推し進める関係機関は、「この研究用原子炉は集落に影響を及ぼさない」というデータを発表した。地域の住民は明確さを求め、反対を申し立てている。

「抵抗する考えの人はたくさんいると思います、原子炉をここに持ってきてほしくない。住民の苦しみが増します。その責任を誰がとるのですか」


オンカラックの農民、マーノップ・ケーオサリーさんの心配に満ちた声だ。彼は、何十年も、魚を飼い、田を耕し、えびを養殖してきた。彼の住む家は、オンカラック国家原子力技術研究所から1キロも離れていない。


マーノップさんは、国家原子力技術研究所の、医療、農業、工業のための新しい研究炉建設計画に反対する住民の一人だ。その原子炉は、オンカラック郡サーイムーン地区に招致、建設が計画されている。しかし、それはまた30年以上の長きにわたる住民からの反対という問題を切り離すことができない。


タイには、すでに研究用の原子炉がある。医療用ラジオアイソトープ(放射性同位元素)を生産するためのもので、バンコクのバーンケーンに建てられ、研究、医療、農業、工業、すべての分野で使うために1962年から稼働を始めた。


だが、この原子炉は1975年に1000kWから2000kWに改造されたが、能力に限界があった。そこで新しい研究炉を建設する計画が持ち上がったが、都市部の膨張でバンコクのバーンケーンに建てることは、もはや妥当ではなくなってしまった。


1990年、1万kW規模の新しいものを建設する案が内閣から出された。ナコーンナヨック県オンカラック郡サーイムーン地区が狙いをつけられ選ばれた地点だった。しかし、建設計画は、地域住民と研究者たちの反対のすう勢から中止をよぎなくされた。


2017年になり、再度、建設計画がもちあがった。このプロジェクトは3回もどってきたことになる。能力も2万kWに拡張され、公聴会も、第1回(2018年)、第2回(2019年)と開かれた。


そして、3回目の公聴会が、2023年9月10日に行われたが、地域住民の抵抗にあって、最終的にこの会は「流会」になった。


反対派ネットワークのリーダーの一人であり、ナコーンナヨック市民協会会長の医学博士スティ・ラッタナモンコンクン助教授は、「この研究炉建設計画は地域の住民にずっと反対されてきました」と語った。


「大きな問題の1つは、すなわち、建設地がナコーンナヨック川の近くに位置するということです。地域住民は、ナコーンナヨック県をバンコクやその隣接県の人々が心をなごませ休養に来るオアシスのような役割を担う所にしておきたいのです」


「オンカラックが研究炉の立地にどう適しているのですか、私たちの質問に答えてください。これだけは答えていただきたい。僕はこうくりかえし3回訊きましたが、彼らは何も答えませんでした」


 3回目の公聴会が「流会」になった後、ナコーンナヨック市民協会とナコーンナヨックの自然遺産を愛する人達のネットワークは共同して、オンカラック郡11の全地区で、このプロジェクトに反対する民衆の署名を集め、その8212名の署名付き書簡をタイ工業連盟(FTI)会長に申し入れた。また、次の機会にはナコーンナヨック県知事あてに書簡を提出する予定をしている。


(原文タイ語、翻訳:吉田かずみ)

【本『原発をとめるアジアの人びと』より】

1998年のNNAFのバンコクでの会議には、研究炉建設計画がもちあがっていたバンコク近郊のナコンナヨク県オンカラックの村人たちも参加した。96年に、応札した複数の海外企業の中からアメリカのゼネラルアトミック社が落札した。オンカラックは豊かな農業地帯であり、灌漑設備が非常に発達していてエビや魚の養殖も盛んである。予定地から4キロ以内に4つの学校と1つの病院がある。突然の研究炉計画は、地域の人々の不安をかきたてた。

2000年3月にはオンカラックから700人の村人たちが10台のバスを連ねてバンコクの科学技術省前につめかけ、激しい抗議行動をくり広げた。「コバルト60事故に対応できなかった原子力庁が、1万kWの研究炉を安全に運転することなど不可能だ!」と抗議の声を上げた。科学省副大臣が村民代表と非公開の協議を行ない、「地元が反対している限り、政府は研究炉の建設を許可しない」との念書にサインさせた。

オンカラックでの研究炉建設計画に反対する理由

Suthee Rattanamongkolgul、Prasong Pansri(ナコンナヨック市民協会)

TINT(タイ原子力技術研究所)は、ナコンナヨック県オンカラックで2万kWの研究炉を建設する計画を進めています。
私たちは、同県の多くの住民たちとともに、以下の理由でこの計画に反対しています。10月12日、タイ国家人権委員会に訴えました。

オンカラック住民とタイ国家人権委員会との話し合い、10月12日、ナコンナヨックで

1.原子炉事故の際の責任法がないこと。
TINTは、事故の可能性に備えて被害者に補償する保険があると主張しています。しかし、タイの安全基準に対する意識は低いです。TINTがどのように原子力災害の責任を負うことができるのか、という疑問があります。


2.TINTは、計画のフィージビリティ・スタディ(実行可能性調査)について明確にしていない。
TINTは、2010年に調査が実施されたと説明しています。しかし、それは今回の計画の2万kWではなく、1万kWの研究用原子炉に対して行われたものです。
1回目と2回目の公聴会が、2019年と2020年に行われましたが、フィージビリティスタディの報告書は非公開とされました。私たちは どのように調査が行われたのかわかりません。長期的な負の影響についてどのように考慮しているのでしょうか。


3.TINTは、原子炉を建設する理由として、放射性同位元素を含む医薬品である「放射性医薬品」を、自家用に、さらに病院へも販売するためであると発表しました。


4.TINTが、オンカラックを研究炉建設地として使用することに反対です。オンカラックは、洪水が時々起こる大河から600mであり、土地は軟弱で、地震のリスクがあり、地下水位が高く、コミュニティが密集しています。また、ナコンナヨック県の経済は観光収入に依存しています。


5.TINTは、第1回と第2回の公聴会で、建設予定地からわずか5km以内の利害関係者のみを招待しました。

TINTは人の話を聞かないので、状況はかなり悪いです。彼らは最終的な公聴会を終わらせようとしています。そうなれば、研究炉建設計画が進んでしまう可能性があります。私たちは反対します。

*Suthee Rattanamongkolgulは医学博士。ナコンナヨック市民協会会長であり、ナコンナヨック大学講師でもあります。
*Prasong Pansriはナコンナヨック市民協会の秘書であり、オンカラックの私立大学で情報工学の講義をしています。
2人は20年近くオンカラックに住んでおり、家は建設予定地から5kmです。

***********************
★ノーニュークス・アジアフォーラム通信179号
(12月20日発行、B5-24p)もくじ

韓国政府は2023年以降、コリ原発2号機を皮切りに、老朽原発18基の寿命延長と、使用済み核燃料の原発敷地内乾式貯蔵を、セットで進めようとしています。

・韓国、地域の無限犠牲を強要する高レベル放廃物法の議論を中止せよ
  (エネルギー正義行動)

・韓水原が住民に謝罪、コリ2号機の寿命延長、蔚州郡公聴会延期 
  (ヨン・ソンロク)

・コリ2号機の寿命延長、声が聞こえなくても強行した 「偽公聴会」

  (同上)

・全国民を対象に「核発電所閉鎖署名運動本部」発足

・韓国、甲状腺がん共同訴訟控訴審・記者会見文
  (甲状腺がん共同訴訟市民支援団)

・西オーストラリア・マルガロックのウラン採掘反対 (星埜恵)
https://nonukesasiaforum.org/japan/archives/2657

・タイ、オンカラックでの研究炉建設計画に反対する理由
  (ナコンナヨック市民協会)

・トルコ、アックユ原発1号機の工事は最終段階へ、
  シノップでもロシアが原発建設を計画 (森山拓也)

・900人が怒りの「老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会」、御堂筋デモ
  (木原壯林)

・九電、川内原発20年延長を申請-意見広告運動に協力を-
  (向原祥隆)

・第36回伊方集会、未来を守らぬ原発政策に抗議と「避難」体験
  (大野恭子)

・多くの核施設と軍事施設をかかえる青森県の戦慄 (中道雅史)

・東電幹部の刑事処罰こそが脱原発への一里塚 (水戸喜世子)

・福島原発事故を起こした東京電力に
  世界一の原発を動かす資格があるのか (小木曽茂子)

ノーニュークス・アジアフォーラム通信は、年6回発行。購読料:年2000円。見本誌を無料で送ります。連絡ください → sdaisuke アット rice.ocn.ne.jp