日本政府が、福島第一原発汚染水の海への放出調整を進め、決定しようとしているなか、1月に韓国側からインターネット共同行動の提案がありました。韓国46団体(下記*)と、武藤類子、川井康郎、満田夏花、伴英幸、佐藤大介のよびかけで、1月20日にスタート集会、2月1日に国際署名開始、2月9日に韓日共同討論会を開催しました。
■ スタート集会 (1月20日、Zoom、韓日150名)
「韓日の参加者150人が、Zoomで同時接続して、脱核(脱原発)を念願する多様なプラカードを持つオンライン・パフォーマンスを進行した。また、韓日共同声明、福島汚染水海洋放出反対の国際署名、インターネット共同行動を提案した」(プサン日報 1.20)
「韓日インターネット共同行動を、全国紙のキョンヤン新聞、連合ニュースなどをはじめ、いくつかのメディアが報じた。ネットの画面を共有しながら同時にプラカードを掲げたり、スローガンを叫んだりといったアクションを自分も初めてやったが、まあ初めてだったこともあってか、なかなか新鮮で楽しかったし、それなりの連帯感も味わえた(下の録画の37~38分)。ネット空間と現実が融合した、ウィズコロナ時代の国際連帯社会運動の一つの形なのかもしれない」(高野聡/ソウル在住)
【録画45分】http://urx3.nu/0YoD
*福島原発事故10年・準備委員会(キリスト教環境運動連帯、労働者連帯、緑色党、緑色連合、大田脱核希望、仏教生態コンテンツ研究所、仏教環境連帯、社会変革労働者党、サムチョク核発電所反対闘争委員会、市民放射能監視センター、子供コープ生協 (강남, 강서, 도봉노원디딤돌, 서대문마포은평, 서울, 송파)、エネルギー気候政策研究所、エネルギー転換フォーラム、エネルギー正義行動、霊光核発電所安全性確保のための共同行動、円仏教環境連帯、ウォルソン原発隣接地域移住対策委員会、正義党、政治するオンマたち、済州脱核道民行動、参与連帯、天道教ハンウル連帯、天主教男子長上協議会正義平和環境委員会、天主教イエス会社会使徒職委員会、天主教議政府教区環境農村委員会、天主教創造保全連帯、緑を描く、脱核慶州市民共同行動、脱核プサン市民連帯、脱核新聞、脱核エネルギー教授会、脱核エネルギー転換全羅北道連帯、韓国YWCA連合会、韓国天主教女子修道会長上連合会 JPIC文科委員会、ハンサルリム連合、核のない社会のための大邱市民行動、核のない社会のための忠清北道行動、核のない世界のための高敞郡民行動、核のない世界・光州全南行動、環境運動連合、環境財団、環境正義)
■ 韓日共同討論会(2月9日、Zoom、同時通訳、韓日200名以上)
「有意義だった、継続的に開催してほしい」「内容が充実していた」「韓日それぞれ約100人が参加する集会というのは画期的」などの感想が寄せられました。
★内容
司会 : ファン・デグォン(霊光核発電所安全性確保のための共同行動)
○ 発表:「福島原発事故以降の日本の原発と脱原発運動の現状」伴英幸(原子力資料情報室)
「福島10年、韓国の原発政策と脱核運動の課題」イ・ヨンギョン(エネルギー正義行動)
○ ディスカッション:「トリチウム汚染水を海に流さないで」満田夏花(FoE Japan)
「福島原発事故は終わっていない」後藤政志(元東芝原子炉格納容器設計者)
「慶州ウォルソン原発のトリチウム漏れ」イ・サンホン(慶州環境運動連合)
「脱原発を早めるための法制度改善を中心に」ホン・ドクファ(忠北大学社会学科教授)
○ 自由討論(約40分)
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★ノーニュークス・アジアフォーラム通信168号
(2月20日発行、B5-24p) もくじ
・「福島原発事故10年、汚染水を海に流さないで! 原発もうやめよう!」国際署名
https://nonukesasiaforum.org/japan/archives/2046
・「福島原発事故10年・韓日インターネット共同行動
― 汚染水を海に流さないで! 原発もうやめよう!」
・慶州ウォルソン原発のトリチウム漏れ (イ・サンホン)
・2020年の脱核課題は 2021年に続く (韓国・脱核新聞編集委員会)
https://nonukesasiaforum.org/japan/archives/2019
・ロシアの反核運動:諸問題、抗議活動とそれに対する報復の数々(後編)
(ロシア社会エコロジー連合/地球の友ロシア)
・柏崎刈羽原発 再稼動問題の要点 (佐々木寛)
・子どもたちに核のゴミのない寿都を (2) (本田英人)
・1.24 関電本店前大集会 (松原康彦)
・宗教者が核燃料サイクル事業廃止を求める裁判(宗教者核燃裁判) (内藤新吾)
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貴重な海を放射能で汚してはいけない。
私は山形県人ですが現在福島市に住んでおります。
3.11以降原発について思うことは「なぜこんな危険なものが身近にあるのか」という事です。
特に核廃棄物の処理も未だ不完全で安全とは言い難いと感じております。
その前提無しに原子力の有効利用という名目で現実に稼動しているのは、理屈の通らないのではないか、子供に質問されてどう理論的に説明できるのか、甚だ疑問です。
特に甚大な被害を被った福島県の皆様だからこそこの原子力の恐ろしさを世界に発信する義務がある、いや権利があると感じます。
手前勝手な言い分ですが、我々世代の責任と捉えていきたいと思います。
海は命の母です。海の恵みを得て、人類は生まれ、生存を可能にし、未来の人類も恩恵に浴する権利を持っています。近隣諸国の切実な問題でもあります。毒物をあえて流さねばならない理由は全くありません。海を 大事に思う諸外国の人々と、堅いスクラムを組んで 絶対に海洋投棄を阻止したいです
原発の汚染水を海洋投棄することは、「世界の普通の国が普通にやっていること」と経産省は言っていますが、日本で長く普通に行われてきたのは、魚類が好む海水をつくるべく、漁師らが植林をしてきたことです。この森は「魚付き林」といわれ、韓国にも天然記念物として南部海岸地域にあると聞いています。海水とは、そこで生きる魚類にとって良い水となるよう、陸部に植林して作るものだったのです。無計画に汚水を流してそれを当たり前という人に漁業は任せられません。私は日本の緑の党に属するものとして、一次産業(林業・農業・漁業)を一体のシステムとして育てるのが人間の務めと思っています。アジアのような一国が島である国の場合、「魚付き林」の伝統があったのではなかったのでしょうか?長期にわたる影響も不明な放射性汚染水をかけがえのない命の揺籃場に流すなど、絶対に許せません。アジアの人々と連帯して反対し続けてゆきたいです。