プナール・デミルジャン
トルコでの原発建設計画は、2013年に福島原発事故後の日本と原子力協定を結んでから、日本でもよく話題になっています。
トルコは、1953年に米国との原子力協定をはじめに結んだ国の一つであり、1976年からずっと原発を造る夢を見ています。政治的、経済的、社会的な理由や、強い抵抗のために、実現されていませんが、トルコは未だにその夢を諦めていません。
トルコ政府は2010年に、アックユ原発建設のためにロシアと協定、2013年には、黒海の町であるシノップ市に原発を建設するために日本と協定を結び、さらに、トラキアとして知られる地方、キリキラル市のイーネアダ村に原発を建設するために中国と協力するようです。
トルコの北部はチェルノブイリ原発事故の影響を酷く受けて汚染され、さらに2011年の福島原発災害以降、トルコの人びとは核の事実を理解することになりました。
しかし今、トルコ政府は、市民社会を原発建設計画のプロセスから排除するために、新しい方法を適用しようとしています。原発は事故が発生した時に非常に重大な結果がありますが、市民社会にはそれについて言葉を言う権利を持たせないように対処しようとしています。
原発や核について新たな情報を広めるミッションで発足した団体Nukleersiz.org は今年、Worldwide Hibakusha パネル展を各地で開催しました。
IPPNW(核戦争防止国際医師会議)の会員で医師のアレックス・ローゼンのリーダーシップで研修生によって作られた50枚のパネルです。核兵器、核実験、ウラン採掘、原発、原発事故、核廃棄物のパネルは、「すべての結果は、ヒバクシャ」ということを教えています。
パネル展は、チェルノブイリ事故31周年である2017年の4月26日から始めて、アックユ原発建設予定地に近いメルシン市、シノップ原発建設予定地のシノップ市と、そのとなりのサムスン市、そして、イーネアダ原発建設予定地のキリキラル市で行なわれました。
シノップでのパネル展は、広島原爆72年目の8月6日前後に、サムスン市では、長崎原爆の8月9日前後に、そしてキリキラル市では、マヤーク核事故(ウラル核惨事)60年目の9月29日前後に行なわれました。
各地のパネル展で、コーディネーターの私(プナ―ル・デミルジャン)がプレゼンテーションを行ないました。プレゼン発表では、原子力技術を持つ国の政府は、背後に核兵器計画を隠しているということを説明しました。
発表で伝えたもう一つのことは、原発と核兵器の両方が環境に深刻な害を及ぼすことです。原発や再処理工場の事故で、大量の放射能が空気、土壌、水を汚染したら、多くの世代において有害な健康影響を引き起こすことです。そして、膨大な量の放射性廃棄物を何十万年もの間、安全に管理する方法がないことです。トルコの人々は核エネルギーについてもっと知るべきです。
(ノーニュークス・アジアフォーラム通信No.148より)
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★ノーニュークス・アジアフォーラム通信148号
(10月20日発行、B5-28p)もくじ
・新コリ5・6号機建設再開に対する立場
(新コリ5・6号機白紙化ウルサン市民運動本部)
・新コリ5・6号機公論化と蘆武鉉大統領の影(陳尙炫)
・インド・ジャイタプールはフランスの原発建設計画にノーと断言
(DiaNuke.org)
・トルコでWorldwide Hibakusha パネル展(プナール・デミルジャン)
・「ニュークリア・アラトゥルカ」 ドキュメンタリー映画プロジェクトについて
(ジャン・ジャンダン監督)
・玄海原発 再稼働させてはならない(永野浩二)
・東海第二原発は再稼働させてはいけない(相沢一正)
・東京電力柏崎刈羽原子力発電所6・7号機の審査書案についての申し入れ
(さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト)
・高浜3、4号機ミサイル仮処分申立てについて(井戸謙一)
・脱核への舵を握った韓国の人びと・後編(とーち)
・NNAF全記録DVD(末田一秀・松丸健二)
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