台湾市民は、政争による公民投票を嫌悪し、第三原発再稼働を否決した

台湾第三原発の再稼働の賛否を問う公民投票(国民投票)が8月23日に行われ、同意票は434万1432票、不同意票は151万1693票でした。投票率は29.53%で、同意票は有権者総数の21.7%でした。

しかし同意票数は、公投成立要件の500万523票(有権者総数2000万2091人の1/4)には届かず、公投法の規定により、結果は「不成立」となりました。一安心です。

この公投は、野党の民衆党が立法院に提案し、民衆党と国民党が賛成し通過したもので、公投の主文は「主管機関が安全上の懸念がないと確認した後、第三原発の運転を継続することに同意しますか」という巧妙なものでした。

民衆党と国民党は、今後も原発推進の攻撃をしかけてくると思われますが、台湾の人々は脱原発を守り抜くでしょう。ともに頑張り、応援を続けましょう。

台湾市民は、政争による公民投票を嫌悪し、第三原発再稼働を否決した

全國廢核行動プラットフォーム・声明 8月23日 (抜粋)

不同意票を投じてくれたすべての人に感謝する。また投票という行動には至らなくとも、反核の理念を堅持し続けてくれた人にも感謝する。

立法院が5月20日に第三原発再稼働公投案を通過させてから、わずか95日間で全国的な公投が拙速に実施された。

8月23日の投票結果は、同意票が500万票の公投成立要件に達しなかったため、否決された。

2017年の公投法改正以降、台湾は「大公投時代」に入った。今回の投票率は30%未満にとどまり、公投法改正後15件の中で最低の投票率となった。これまで公投が選挙と切り離されても、投票率は4割を超えていた。

今回の公投は、立法院が提案した初の公投である。広範な民意の署名を経たものではなく、野党による意図的な政争の具にすぎない。そのため、市民がこうした政争工作を見抜き、投票に行かないことを選んだのは当然である。

廃核行動プラットフォームは、今回も積極的に参加し、正確なエネルギー・原子力情報を伝えた。しかし、立法院が拙速に公投を発動したため討論の時間は不足し、社会全体での情報共有も不十分であった。

多くの人々が、「手続的にも実質的にも、正当性のない公投は受け入れられない」として、投票拒否によって不満を示した。このことも低投票率の一因である。

今回の公投は、台湾全体のエネルギー政策を決定するものではなく、屏東に位置する第三原発の再稼働を全国投票で決定するものであり、屏東県民にとって不公平かつ不正義である。

第三原発所在地の屏東県は台湾全体で最も高い割合の不同意票を示した。7つの郷鎮(町村)では不同意票が同意票を上回った。これは地元住民が自らの命運を全国投票で決められることを望んでいない心情の表れである。

三大政党に呼びかける。この公投結果はすでに明白に示している。市民は政争による公投を嫌悪し、第三原発再稼働を否決した。台湾のエネルギーおよび脱炭素政策は、政治的対立の道具とするべきではなく、与野党すべての政党が私心を捨て、一致して取り組むべき重大課題である。

今日は台湾が「非核家園」となって98日目である。この道を、これからも共に歩み続けていく。 

屏東の人々は、立ち上がり、心を一つにして故郷を守ります

屏東県知事・周春米   8月20日 Facebookより

823公民投票まであと3日を切りました。今夜「屏東を愛し、ふるさとを守る集会」、6000人の住民が屏東体育館に集まり、強い声を示しました ― 「第三原発再稼働に、屏東の人々は不同意!」

屏東はもうこれ以上、原発事故のリスクを背負うことはできません! 私たちは核廃棄物を次世代に残してはなりません!

40年間、第三原発は寿命延長を議論されたことはありませんでした。しかし突然、全国2000万人の有権者に70万人の屏東住民の運命を委ねるという、不公正かつ不正義な事態となりました。

改めて強く呼びかけます:

★ 屏東をいじめさせてはなりません!

★ 屏東を踏みにじらせてはなりません!

★ 823公民投票で、全国民が必ず「不同意」を投じてください!

最後に全員で「伊是咱的寶貝(娘は私たちの宝物)」を合唱し、会場中の携帯ライトが輝き、台湾の希望を照らしました。

823不同意! ― 家を守り、屏東を守り、台湾を守りましょう!

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★ノーニュークス・アジアフォーラム通信・号外
(25年8月23日発行、B5-2p)もくじ

・台湾市民は、政争による公民投票を嫌悪し、第三原発再稼働を否決した  (全國廢核行動プラットフォーム)
・屏東の人々は、立ち上がり、心を一つにして故郷を守ります (屏東県知事・周春米)

★ノーニュークス・アジアフォーラム通信195号
(25年8月20日発行、B5-28p)もくじ
 

・南台湾の人々が屏東で「第三原発再稼働反対!」と叫ぶ  (地球公民基金会)
・核三公投(第三原発国民投票)で、「不同意」票を投じよう!
   (全國廢核行動プラットフォーム)
・屏東県の未来の運命を、全台湾人の国民投票で決めることは合理的なのか
   (南台湾廢核行動連盟)
・地震が来た時、第三原発は耐えられるのか? (全國廢核行動プラットフォーム)
・台湾第三原発再稼働国民投票(8月23日)に向けた日本各地からの連帯メッセージ    
   (ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン事務局、さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト、志賀原発を廃炉に!訴訟原告団、原発設置反対小浜市民の会、ふるさとを守る高浜・おおいの会、若狭の原発を考える会、自然の灯をともし原発を葬る会かごしま、原発さよなら四国ネットワーク、上関原発止めよう!広島ネットワーク、広島県被団協・木原省治、核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会、原子力資料情報室) (曽根俊太郎)
  https://nonukesasiaforum.org/japan/archives/3330  
・フィリピン・反核団体、BNPP復活反対を訴え「ウェルガ・ン・バヤン」40周年集会
  https://nonukesasiaforum.org/japan/archives/3343    
・淸道郡三坪里345kV送電塔強制執行から11年、我々は今もなお平和を望む
   (密陽・淸道送電塔反対対策委員会)
・インドネシア、スマトラとカリマンタンに計50万kWの原発を建設、2027年着工予定
   (ムハンマド・ヒダヤトゥラ)
・私たちは負けない! 柏﨑刈羽原発の地元から  (小木曽茂子)
・新潟県民は原発を必要とせず (菅井益郎)
・原発増設をゆるすな (橋田秀美)
・「玄海控訴審判決・26.1.20」と「死の灰(核のゴミ)文献調査受入問題」 (石丸初美)
・海の日アクション2025~海といのちを守るつどい~ (片岡輝美)
・『反核・反被曝連作戯曲集』を出版しました (くるみざわしん)

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