ミンギ(環境運動連合)
国会前で6月12日、放射能汚染水海洋投棄阻止行動が主催した「第2回全国行動の日」に、全国の漁民2000人が集まった。まさにこの日、日本政府が汚染水海洋放流の2週間試運転を開始した。
日本政府は汚染水問題をめぐって嘘をくり返している。とくに「福島漁民および関係者の理解と同意なしに汚染水放流はしない」という約束も破った。最近、福島近隣3県の漁民が明らかにした「汚染水放流に断固反対する」という立場と、太平洋を巡る世界市民の反対にもかかわらず、今夏の海洋放流を固守している。
チュ・ヘグン全国漁民会総連盟会長は「この集会は全国漁民の声を集めて放流を防ぐための場」とし、「韓国政府と政界は何の対策もない。国民が感じる恐怖と脅威を解決してほしい」と訴えた。
連帯発言をした公共給食協同組合のキム・ウンジュ理事長は「汚染水海洋投棄は、水産業従事者にも、水産物を消費する国民にも、青天の霹靂のようなことだ。現在と未来の生存と健康の問題であり、政府と国民が共に対応して、必ず防がなければならない」と述べた。
キム・ジョンシク全国漁民会総連盟副会長は「国が私たちを守ってくれなければ誰が守ってくれるだろうか。私たちを守ってほしいとソウルに集まった」「私たちの生活の基盤である海を奪われることはできない。漁民が団結して力を集めよう」と強調した。
続いて集会参加者たちはプラカードを掲げてウェーブを行った。
日本福島の小野春雄漁民のメッセージが読まれた。「海は漁師の仕事場だ。ところが汚染水海洋放出によって、再び福島原発事故直後のような悪夢をくり返すことになりそうだ」「海洋放出以外の方法はいくらでもある」。
釜山、全羅南道、慶尚南道各地の漁民発言が続いた。
釜山から来たヤン・ジョンモ漁民は「私たちが、食べていける、生きていけるよう、国を導いていく方々がきちんと政策を展開してほしい」と訴えた。
全羅南道から来たパク・ジョンヒ漁民は「汚染水投棄が始まれば、消費減少で、漁民が荒波とたたかって獲ってきた魚、昼夜を問わず養殖場で育てる海苔など、水産物は売れなくなるだろう。政府と国会議員は、汚染水を絶対に防いでほしい」と求めた。
慶尚南道から来たナム・ナムテ漁民は「政府は汚染水放流を積極的に阻止せよ。水産物消費不振と価格下落にともなう漁民の苦痛に共感し、被害を補償せよ」と強調した。
「放射能汚染水海洋投棄阻止・第2次全国行動の日」「全国漁民大会」共同決議文
福島原発汚染水海洋投棄を阻止せよ! 漁民みんな死ぬ!
日本政府が公言した放射能汚染水の海洋投棄が目前に迫っている。放射能汚染水の海洋投棄を控え、漁民が感じる恐怖は大きくならざるをえない。一生、海だけを見つめ、海を通じて暮らし続けてきた韓国漁民たちは、生活の基盤である海が汚染され、水産物が売れなくなるという恐れと絶望感を感じている。
5月に、環境運動連合が行った汚染水放流に対する国民アンケート調査で、85%の国民が「放射能汚染水海洋放流に反対する」と答えた。また、72%の国民が「汚染水が捨てられれば水産物の消費を減らす」と答えた。汚染水が海に捨てられれば韓国漁民の憂慮が現実になることを示した世論調査の結果だ。
福島原発の汚染水による被害は、果たして誰が責任を負わなければならないのか? 海で生計を立てている漁民たちなのか?
政府は、日本政府の汚染水海洋投棄を容認する態度を捨て、汚染水海洋投棄を阻止せよ!
私たちは、地球と生態系を破壊する放射能汚染水投棄計画に反対する。私たちは放射能汚染水の海洋投棄を防ぐために、最後まで連帯して闘争する。
一 私たちは、日本の放射能汚染水海洋投棄に強く反対する!
一 日本政府は、地球と海を滅ぼす放射能汚染水投棄計画を中止せよ!
一 日本政府は、陸上での長期保管などの解決策を講じろ!
一 韓国政府は、汚染水海洋投棄を防ぐため、国際海洋法裁判所に直ちに提訴せよ!
2023年6月12日
全国漁民会総連盟、放射能汚染水海洋投棄阻止共同行動 <抜粋>
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★ノーニュークス・アジアフォーラム通信182号
(23年6月20日発行、B5-28p)もくじ
・汚染水を海に流すな!5.16東京行動に、のべ1,200人
「流すな!」の声を大きく広げよう (佐藤和良)
・東京で響き渡る「原発汚染水を海洋放出するな」 (チェ・ギョンスク)
・「海洋放出するな!」「海を汚すな!」福島県民たちが東電前や国会前で抗議行動
韓国の女性たちも「陸上保管続けろ」と連帯のアピール(民の声新聞より)
・放射能汚染水海洋投棄阻止「全国行動の日」に1万人 (ミンギ)
・「福島原発汚染水海洋投棄反対国際書簡」発表
・「放射能汚染水海洋投棄反対、全国漁民大会」
― 全国漁民2000人、第2回全国行動の日に参加 ― (ミンギ)
・「海は、私の生業であり、人生そのもの」 (キム・ヨンチョル)
・トルコ・アックユ原発に核燃料を搬入:「チェルノブイリの日」に市民が抗議 (森山拓也)
・高レベル核廃棄物・最終処分場の候補地になって50年の対馬 (鍵本妙子)
・被爆地が軍拡にお墨付きを与えてはならない (木原省治)
・川内原発の寿命延長に反対する (小川みさ子)
・東京電力に原発の運転資格なし、運転禁止命令の継続は当然だ (菅井益郎)
・どうする?原発のごみ全国交流集会で政策転換の提言 (末田一秀)
・老朽原発延長の審査で安全性は担保されない (草地妙子)
・原発再稼働で電気代が下がるという宣伝にだまされないで (佐藤みえ)
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